先天的な眼の病気で徐々に視力を失う運命にある女性、フリア。ある日、すでに視力を完全に失い、角膜手術を終えたばかりの双子の姉サラが自殺したことを知らされショックを受ける。しかし、その死に不審なものを感じたフリアは、独自にサラの周辺を調べ始めることに。次第に明らかとなる驚きの事実。その一方で、フリアの視力はどんどん失われていく。やがてフリアは、自分が姉と同じ道を辿っていることを自覚し、恐怖を増幅させてしまうのだが...という物語。
『パンズ・ラビリンス』(2006)のギレルモ・デル・トロ製作のスペイン製サスペンス。双子の姉の死の真相を探るうち、自らも視力を失っていき、追い詰められていく妹の運命を描いた作品。主人公が盲目(または視力が極端に悪い)の場合、恐怖を煽る場面は演出しやすくなると思いますが、一方で平凡なシーンになりがちです。本作はスペイン製ならではのひねりの効いた演出で、犯人探しもいろいろと裏切られるところがあるので、ハリウッド作品とはまた違った緊張感が楽しめます。恋愛の絡め方も甘すぎず、バランスの取れたサスペンスドラマだと思います。
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