D-Movie(No.554)

・邦題:『ロンリーハート』
・原題:『LONELY HEARTS』
・監督:トッド・ロビンソン
・脚本:トッド・ロビンソン
・キャスト:ジョン・トラヴォルタ、ジェームズ・ガンドルフィーニ他
・制作:2006年/アメリカ、ドイツ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:107分
・評価:★★★


【 コメント 】
1940年代のアメリカで実際に起こった”ロンリーハート事件”を元に作られた作品。20人以上もの女性を殺害した詐欺師レイモンド(ジャレッド・レト)と恋人マーサ・ベック(サルマ・ハエック)が引き起こした連続殺人事件と、彼らを執拗に追い続ける、暗い過去を持つロビンソン刑事(ジョン・トラボルタ)との追走劇を描いた物語。実際に起こった事件がベースだと考えるとそれだけでなかなかの衝撃を受ける作品です。
新聞の恋人募集欄「ロンリーハート・クラブ」に情報を載せている戦争未亡人や独身の中年女性など、”獲物”を見つけては紳士を装って近づき、最終的に財産を騙し取る結婚詐欺師のレイモンド。何度も犯行を重ねるうちにやがて出会ったのがマーサ。彼女は彼の犯罪を見抜き、パートナーとなったまでは問題なかったのですが、さらに彼を深く愛してしまったことで嫉妬を抱き、多くの殺人を重ねていきます。またレイモンドも、そんな彼女と別れようとしますが、彼女の愛から逃れることはできず、一緒に犯行を重ねてしまいます。

ジョン・トラボルタ演じるロビンソン刑事は、妻が自殺してしまったという過去を背負いつつ、刑事としての手腕を発揮し、レイモンドとマーサを追い詰めていきます。全体的には緊張感もありますし、レイモンドらが愛と嫉妬の暴走によって堕ちてゆくさまは、戦慄をかかえながらも哀しさをまとっていて見ごたえがあります。実際のマーサは見た目が全然違うそうですが、少なくともその事実を知らなければ特に興ざめするわけではありません。
ただ、追う側、追われる側の両方が並列して描かれるのですが、ロビンソン刑事の抱える心の問題や、息子との確執など、追う側の人間ドラマの部分が、”妻の自殺”という事実以上の深みが感じられないところが残念です。であれば、レイモンドとマーサの二人を主人公にした方がわかりやすかったのではないかと。そういう意味では、ジョン・トラボルタも熱演でしたが、ジャレッド・レトの演技が突出していたのかもしれません。

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