D-Movie(No.657)

・邦題:『街のあかり』
・原題:『LAITAKAUPUNGIN VALOT』
・監督:アキ・カウリスマキ
・脚本:アキ・カウリスマキ
・キャスト:ヤンネ・フーティアイネン、マリア・ヤンヴェンヘルミ他
・制作:2006年/フィンランド、ドイツ、フランス
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:78分
・評価:★★★★★


【 コメント 】
主人公がとにかく不幸につきまとわれ、辛酸をなめ続けるという、アキ・カウリスマキ監督の『浮き雲』(1996)、『過去のない男』(2002)、に続く“敗者三部作”シリーズの最終章となる作品。

舞台はフィンランドのヘルシンキ。警備会社に夜警として勤務する静かな男、コイスティネン。暗く不器用な性格ゆえ、上司や同僚からも疎まれ、恋人はおろか友人もおらず、孤独な日々を送っている。そんなある日、彼の前に突然ミルヤという名の美女が現われる。美しい彼女に惹かれた彼が思い切ってデートに誘うと、いわれるままについてくる。彼女がマフィアの情婦で、その裏にはある計画があるとも知らず、彼女との仲を深めようとするコイスティネン。だがやがてマフィアの計画通りに宝石強盗の濡れ衣を着せられてしまい...という物語。
”敗者三部作”の完結編(三部ともストーリー的には全然関係ありません)の名にふさわしく(?)、本作の主人公もまた、本人の意思や行動に関係なく、不幸のどん底に突き落とされます。前の二作や、他のカウリスマキ監督の作品に比べると、ユーモアのスパイスは少なく、徹頭徹尾無駄の無い演出となっています。それがまたカウリスマキ流ハードボイルドでかっこいい。
最後には一片の希望が残されていますが、それまでのドライな演出もあって、本当に小さな希望が見る側に与えるカタルシスは大きく、決して明るい作品ではないものの、見終わった後には心が軽くなるような感覚が味わえます。
私がカウリスマキ作品の大ファンなのは、人生は楽しいことばかりじゃなくて、時に苦しくつらいこともある、ではなく、人生はつらく苦しいことの連続だけれど希望はゼロじゃない、というところ。これがリアル。そして、負けることは決して美しくないけれど、負けを受け入れることの美しさを描いているところもいい。個人的には、モノクロでもよかったんじゃないかと思う内容ですが、それだと重くなってしまうのでしょうか。敗者三部作の最後にふさわしい作品です。

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