D-Movie(No.511)

・邦題:『海辺の家』
・原題:『LIFE AS A HOUSE』
・監督:アーウィン・ウィンクラー
・脚本:マーク・アンドラス
・キャスト:ケヴィン・クライン、ヘイデン・クリステンセン他
・制作:2001年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:126分
・評価:★★★★


【 ストーリー 】
ジョージ・モンロー(ケヴィン・クライン)は42歳の建築デザイナー。彼には既に別の人と再婚している元妻のロビン(クリスティン・スコット・トーマス)と、16歳になる息子サム(ヘイデン・クリステンセン)がいるが、仲が悪く別居していた。ある日、ジョージは仕事をリストラされ、さらにガンで余命4カ月と宣告されてしまう。残り少ない時間で家族との絆を取り戻そうと家を建て直す宣言をするが...。

【 コメント 】
『ナイト・アンド・ザ・シティ』(1992)や『ザ・インターネット』(1995)を手がけたアーウィン・ウィンクラー監督作品。突然余命4ヶ月を宣告された建築家が、かつて憎んでいた父親から譲り受けた家を建て直すことで、バラバラになっていた家族の絆を取り戻そうとする物語。

リストラと余命わずかという境遇から自分の人生を取り戻すべく生まれ変わった主人公を演じるのはケヴィン・クライン。悩める息子を演じるのは、本作の翌年、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)のアナキン・スカイウォーカー役に大抜擢されたヘイデン・クリステンセン。いずれもさまざまな困難を経て自分を取り戻す親と子をしっかりと演じています。

中途半端な人生を送っていた主人公が、突然の余命宣告で生まれ変わるというストーリーは個人的にあまり好きではありません。本作も、主人公のジョージは、病気こそ本人のせいではないものの、仕事をリストラされるのも最新技術についていけなくなったからですし、離婚をした原因も少なからず彼にあるようですから、自分勝手な人間であることは否めません。途中、父親との確執が告白され、自らもまた、父親のせいで悩み続けてきた部分が明らかになるものの、それもこの世の中で彼だけが経験した種類のことではないでしょう。
しかしながら、妻とはすでに別れていること、その妻は別の男性と住んでいることなど、複雑な人間関係をものともせず、息子と一緒に最後の夏を過ごし、家を建て直そうとする意志には切実なものがあり、それゆえの誠実さが多くの人を動かすに至るプロセスは見ごたえがあります。ケヴィン・クラインの演技の上手さもあるでしょうね。
人間関係を深める上で最も重要な行為は”許す”ことではないかと思いますが、本作では”許し”ではなく、過去との対峙によって確執を乗り越えていくという、多少力技の部分も感じますが、それでも家=自己=家族の再生を成し遂げる父親の強さは清清しい感動を与えてくれます。

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