エラとジョンは５０年連れ添ってきたベテラン夫婦。末期ガンを患い人生の終わりが近いことを覚悟したエラは、病院での治療に見切りをつけ、最愛の夫とキャンピングカーで夫婦水入らずの旅に出る。目指すのは、ジョンが敬愛するヘミングウェイの家があるフロリダのキーウェスト。しかしジョンはアルツハイマーが進行中で、道中もたびたび記憶が混乱してしまう。それでも心配する子どもたちをよそに、２人で人生を追想しながら目的地を目指してアメリカを南下していくエラとジョンだったが．．．という物語。

マイケル・ザドゥリアンのベストセラー『旅の終わりに』を映画化したロード・ムービー。妻は末期ガン、夫はアルツハイマーという老夫婦が、愛用のキャンピングカーで思い出の道を辿る旅を、ユーモアたっぷりに描いています。ドナルド・サザーランドはこの手の役は少ないですが、いい味出してます。重いテーマを明るい画で、さらっと描いているところは好感が持てます。ストーリー的にはシンプルなので、もう少し起伏やひねりが欲しかった気もしますが、人生の最期をいかに迎えるか、笑いつつもしっかりと考えさせられる作品です。