幼少時に虐待を受けたことから、感情を失ってしまった殺し屋フランク。全く笑顔を見せず、あまりにも冷徹な仕事ぶりから、仲間の殺し屋たちからも一目置かれていた。そんなある日、街で偶然ジャッキーという女性に声をかけられる。ふとしたことから彼女に興味を持った彼は、彼女が通う小説講座に自身も通い始める。講座で小説を発表するために、毎回小説を書くフランク。講座を通してジャッキーと交流していくうちに、やがてフランクの中で変化が起こりはじめ、徐々に人間的な感情を取り戻していくが．．．という物語。

全く笑わない冷酷無比な殺し屋が、一人の女性との関わりによって人間性を取り戻していく展開なんですが、この主人公を、名脇役のウィリアム・フォーサイスが好演。めちゃくちゃいい味出しています。この殺し屋が”文章教室”的な講座に通う時点で面白いのに、コメディになりすぎていないところがすごいです。全編を通して描かれるのは、心に傷を負った男の生きざまで、物語自体はあくまでもハードボイルド、緊張感も途切れません。トム・サイズモアが相変わらずの変態役で（笑）、曲者俳優ケヴィン・コリガンもしっかり笑わせてくれます。ちょっと変わったギャング物をお探しの方にはオススメできる作品だと思います。