D-Movie(No.605)

・邦題:『地球で最後のふたり』
・原題:『LAST LIFE IN THE UNIVERSE』
・監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン
・脚本:ペンエーグ・ラッタナルアーン他
・キャスト:浅野忠信、シニター・ブンヤサック他
・制作:2003年/タイ、日本、オランダ、フランス、シンガポール
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:107分
・評価:★★


【 コメント 】
バンコクを舞台に日本人ケンジとタイ人ノイの出会いと交流を描いたラブ・ストーリー。監督はタイ人のペンエーグ・ラッタナルアーン、撮影はウォン・カーウァイ作品の撮影で知られるクリストファー・ドイル。舞台はバンコクですが、映画自体はタイ、日本、オランダ、フランス、シンガポールの合作となっています。

バンコクの日本文化交流センター働くケンジ(浅野忠信)は、病的なほどの潔癖症で自殺願望がある。人との関わりを避けてひっそりと生きている彼の元に、日本でトラブルを起こしたヤクザの兄・ユキオがやってくる。一方、外国人向けのクラブで働く女・ノイは男のことで妹ニッドと激しくやり合う。帰り道、興奮して車から飛び出したニッド。すぐそばには、川に身投げしようとするケンジの姿。ケンジがニッドに気づいた直後、ニッドは車にはねられてしまう。それを目撃したケンジは動揺するノイに付き添い病院に向かう。やがて二人の奇妙な交流が始まる...という物語。

シンプルと言えばシンプル、難解といえば難解なラブ・ストーリー。日本人の優しくて周囲を拒絶する距離感がケンジに、タイ人の情熱的で感情をあらわにするところやアバウトさがノイにステレオタイプ的に表現されていると思います。一見相容れないように思われる二人が、それぞれの事情や背景をベースに、細い糸が絡まるように徐々に関係を深めていく様子が丁寧に描かれています。クリストファー・ドイルの映像世界が好きな人はどっぷりとその世界にはまれるでしょう。途中、三池崇史監督が登場したり、同監督の作品『殺し屋1』(2001)のポスターが登場するあたりはご愛嬌。個人的にはアジア映画でやたらとタバコが演出として登場する作品が苦手なのですが、それでもどこかウェットで美しい映像と浅野忠信の独特のクールさがミックスされた最後の余韻は秀逸だと思います。ちなみに浅野忠信は本作にて、2003年のヴェネチア映画祭コントロコレンテ部門で最優秀主演男優賞を受賞しました。

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