D-Movie(No.698)

・邦題:『薬指の標本』
・原題:『L' ANNULAIRE』
・監督:ディアーヌ・ベルトラン
・脚本:ディアーヌ・ベルトラン
・キャスト:オルガ・キュリレンコ、マルク・バルベ他
・制作:2004年/フランス
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:100分
・評価:★★★


【 コメント 】
『博士の愛した数式』などで知られる小川洋子氏の同名小説をフランスの女性監督ディアーヌ・ベルトランが映画化した作品。主演はファッション雑誌などで活躍するウクライナ出身のスーパーモデル、オルガ・キュリレンコ。これが映画デビュー作。彼女が演じる、薬指を失った女性と、標本作成士との幻想的な恋愛を描いています。

20歳のイリスはある日、働いている工場で誤って薬指の先を切り落としてしまう。工場で働けなくなった彼女は仕事を辞め、知人のいない港町へと引っ越す。やがて彼女は、不思議な標本室で標本作製士の助手という働き口を得る。ある日、イリスは標本作製士の中年男から一足の靴をプレゼントされる。最初は男に頼まれ、その靴を履き続けるイリスだったが、やがて彼女の感情に変化が生じ始める...という物語。

日本人が原作を手がけたフランス映画(ハリウッドでは日本人が原作や監督を手がけるのは珍しくありませんが)であることや、世界的に注目を浴びていたスーパーモデルのオルガ・キュリレンコが主演したことなどで、日本国内ではかなり話題になった作品です。
小川洋子さんの原作は未読なんですが、フランス映画の題材として驚くほど違和感はありません。やはり主演のオルガ・キュリレンコが独特の存在感をかもし出していていいですね。見方によっては、ホラーっぽさもあるのですが、全体的には、幻想的でちょっとダークな雰囲気のある恋愛ドラマとして成立していると思います。ただ個人的には、寓話的なテイストを狙った演出が少しテレビドラマっぽい?感じがするのが気になったのと、主演女優の存在感に対して、標本作成士の男優のキャラクターが少し物足りない感じがしました。もう少しエキセントリックな男性でもよかったかも。このお話は、上品に仕上げるのではなく、ドロっとした感触を保った方が、より官能的で妖しさが増すような気がしました。いい意味でも、悪い意味でも、見終わった後、原作を読みたくなる作品です。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送