1945年5月。ナチス・ドイツの占領から解放されたデンマークだったが、海岸線にはドイツ軍が埋めた無数の地雷が残ったまま。その除去に、捕虜となっていたドイツ兵たちが駆り出される。除去部隊の一つを監督することになったデンマーク軍のラスムスン軍曹は、セバスチャンらドイツ兵全員があどけなさの残る少年であることに驚くが、ナチスへの憎悪を剥き出しに、彼らを容赦なくこき使っていく。この作業が終了すれば帰国できるという軍曹の言葉に唯一の希望を託し、死と背中合わの作業をこなしていくセバスチャンたちだったが...という物語。
第2次大戦直後のデンマークで、同国に残されたドイツ人少年兵たちが、ナチスが埋めた地雷の除去作業を強制させられていた、という知られざる残酷な史実を映画化した作品。まだまだあどけない少年兵たちが、死と隣り合わせの作業に挑む、リアリティあふれる映像には胸が締め付けられる思いです..。そしてその姿にやはり心打たれるデンマーク人の鬼軍曹。歴史上の残酷な事実を描きつつ、人間の心の葛藤、揺れを見事に表現した作品。決してハッピーエンドとは言いませんが、それでも最後の軍曹の判断と行動には、しっかり希望が感じられる作品です。
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