D-Movie(No.498)
・邦題:『KUJAKU 孔雀』
・原題:『AWAY WITH WORDS』
・監督:クリストファー・ドイル
・脚本:クリストファー・ドイル他
・キャスト:浅野忠信、ケヴィン・シャーロック他
・公開/制作:1999年/日本、香港
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:90分
・評価:★★★

沖縄の島で育った青年アサノ(浅野忠信)は抜群の記憶力の持ち主。言葉の感覚も独特で、幼い頃から孤独感を抱えていた。そんな彼は、都会暮らしの中で疲れ、逃れるように香港へと向かう。街をさすらううちに、”ダイブ・バー”という場所にたどり着く。そのバーの奥にある青いソファーは孔雀のように心地よく、彼はそこに住みつくようになる...。 【 ストーリー 】



【 コメント 】
『恋する惑星』(1994)、『天使の涙』(1995)など、ウォン・カーウァイ監督の撮影監督として知られるクリストファー・ドイルの監督デビュー作。脚本・撮影も手がけています。自分の居場所を探して香港の街を彷徨い続ける日本人青年アサノの物語。主人公のアサノを演じるのは日本人の浅野忠信、ケビン役のケビン・シャーロックはイギリス出身、スージー役のシューメイチンはシンガポール出身と、多国籍なキャスティングで、さらに製作・製作総指揮は時盛裕行、音楽は板橋文夫など、多くの日本人が制作陣に名を連ねています。

物語の舞台となる”ダイブ・バー”の大きなソファー、青い海、抜けるような空、映像の中に登場するあらゆるものが自己主張しています。フィルムの早回しなどのトリッキーな映像テクニックも駆使されており、この”ドイル的世界”に入り込めるかどうかが本作のポイント。個人的には非常に色が美しいし、刺激的だと感じました。ただ、浅野忠信をイメージして書かれたという脚本には、主人公の心の揺れのようなものがあまり感じられず、感情移入は控えめ。浅野氏はどんな映画に出ても役者本人の魅力や存在感を失うことがありません。そういう意味ではすごい。ある種、ケビンが物語を引っ張っている部分がありますが、映像の美しさと浅野氏の静謐さの前では、ちょっとうるさい感じなのが残念。エキセントリックな人や場面が増えるほど、主人公の存在が拡散していく感じがしました。ウォン・カーウァイの作品もそうなんですが、ライブ感を維持しつつ作りこまれたドラマからは、微妙に生々しさが欠落(その喪失感がたまらないという人ももちろん多いと思いますが)していて、個人的にはどうも馴染めません。スタイリッシュな映画だとは思うのですが。本作は、クリストファー・ドイルがやりたいようにやった結果生まれた、極彩色のミュージック・ビデオといったところでしょうか。”物語”がなくても”美”があればいい、そういう人にはオススメです。

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