D-Movie(No.645)

・邦題:『人生に乾杯!』
・原題:『KONYEC』
・監督:ガーボル・ロホニ
・脚本:バラージュ・ロヴァシュ、ジョルト・ポジュガイ
・キャスト:エミル・ケレシュ、テリ・フェルディ他
・制作:2007年/ハンガリー
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:107分
・評価:★★★


【 コメント 】
高齢の年金生活者夫婦が、あまりの生活苦に開き直り、強盗を重ねて旅をするというちょっと変わった趣のロードムービー。2007年にハンガリーで公開された作品です。

1950年代のハンガリー。共産党員の運転手だったエミルは、ある貴族の館の収用に立ち会った際、伯爵令嬢のヘディと運命的な出会いを果たす。やがて時は過ぎ、二人の老夫婦は年金生活を送る日々。しかしながら、東欧革命による資本主義の導入などにより、その年金も満足にもらえる生活は困窮。仕方なく、身の回りのものを売ってその場をしのいでいたが、それも破綻寸前。最後の思い出の品ともいえる、共産党時代から大事にしていた車に久しぶりに乗ったエミルは、とうとう決意を固める。そして、一人で郵便局に乗り込んで強盗を行う...という物語。

思いつめた二人が犯罪を犯しながら各地を転々とする、というとボニーとクライドの『俺たちに明日はない』(1967年)、『ゲッタウェイ』(1973)あたりが浮かびます。他にも夫婦ではありませんが『テルマ&ルイーズ』(1991)なんてのもありましたね。本作も基本的には同じ。年金も満足にもらえない国策にあきれ、一大決心して強盗を行った夫が、最終的に妻も巻き込んで逃避行を行うロードムービー。
でも、主人公が老夫婦ということもあってかどこかゆるさを感じさせます。主人公が大事にしている車もクラシックで、町並みや風景も鮮やかな色合いの場面が多く、コメディタッチも交えてポップな作りが楽しいです。警察の頼りないところもご愛嬌。終盤は二人が英雄になったり、優しくて男気のあるキューバ人が絡んできたりして、風刺のスパイスが効いてきます。最後のどんでん返しも含めて、ゆるさが楽しい作品ですが、高齢化社会と年金の破綻という意味では、私たち日本人も単純に笑って見ていられませんし、資本主義に対する疑問と受け取れば、夫婦が撒き散らす風刺の毒は反グローバリズムにまで及びます。笑いと風刺のバランスがうまく取れていて、楽しいながらもしっかり考えさせられる作品です。

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