D-Movie(No.640)

・邦題:『復讐の銃弾』
・原題:『KILLING DOWN』
・監督:ブレイク・カルフーン
・脚本:ブレイク・カルフーン
・キャスト:マシュー・トンプキンス、シェリー・J・ウィルソン他
・制作:2006年/アメリカ
・ジャンル:アクション
・上映時間:109分
・評価:★


【 コメント 】
女性監督セリーヌ・シアマのデビュー作。大人の入り口に立つ思春期の少女たちを主人公に、未成熟な愛や性をみずみずしく描き出した物語。

親友の同級生アンヌを応援するために、シンクロナイズド・スイミングの競技会場へとやって来た15歳の少女マリー。彼女はそこで素晴らしい演技を見せたフロリアーヌの美しさに心奪われ、一目ぼれしてしまう。彼女に近づくためにシンクロ・クラブに潜入するマリー。そこで、彼女が耳にしたのはフロリアーヌは男性関係が盛んだという噂。しかし、フロリアーヌは虚勢を張っているだけで、実は孤独な一面を持っていた。やがて親しくなる二人。そんな折、フロリアーヌは、マリーにあるお願い事をする...という物語。

シンクロナイズド・スイミングをモチーフにした青春映画ですが、シンクロというスポーツを通して少女たちの成長を...というものではなくて、主人公の女の子3人の内面や心の揺れを描いた作品です。彼女たちの身体を結構大胆な構図で映しているのでドキっとさせられます。その分、彼女たちの精神的な未熟さが対照的に生々しく表現されています。監督は、本作を製作しているときに20代だったようですから、自らの経験や感情も多少入っているのかもしれません。シンクロナイズド・スイミングというテーマも、ここでは身体を見せる仕掛けとして使われているに過ぎないのかも。
ピーター・ジャクソン監督の『乙女の祈り』(1994)のように、まだまだ精神的にも未熟な少女たちの作り上げる狂気の妄想世界も楽しいですが、こういった心の揺れを描いた作品も見ていて新鮮な気持ちになります。男の子たちが徹底しておバカに描かれているところも、女性監督らしい潔さが感じられました。エレクトロニカっぽいBGMとともに、切ない余韻が残るラストシーンも印象的でした。

ちなみに登場する3人の少女たちはほとんどが新人のようです。主人公の3人のうち2人はその後も映画出演などしていないみたいなので、そういう意味では貴重な作品かもしれません。

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