郊外の新興住宅地に引っ越してきたばかりのハイメとその妻マルタ、そして一人娘のイサ。新しい場所での生活に期待と不安が入り交じる。ところがその夜、いきなり不条理な悲劇が一家を襲う。覆面を被った３人の男が家に押し入り、ハイメたちを監禁すると、金品を要求する。家の中のものだけで飽き足りない男たちは、ハイメに車を運転させ、街のＡＴＭからも金を引き出させる。さらに男たちは情け容赦ない暴力で彼らの命をもてあそぶように残忍な暴行と陵辱を繰り返していく．．．という物語。

あまりにも非情かつ理不尽なストーリー展開と暴力描写で、スペインでセンセーションを巻き起こしたというバイオレンス・ドラマ。平和な一家に襲いかかる突然の悲劇。最初から最後まで圧倒的に救いのない内容は衝撃です。画面を二分割にして、家の中と外の出来事を同時に表現したり、ドキュメンタリータッチでリアルに感じさせるなど、監督独自の演出が刺激的。スペインでは、この手の犯罪が多いそうなので、ある種の警告とも受け取れます。後味の悪いバッド・エンディングや、スプラッター的な暴力描写などが苦手な方はご注意ください。