D-Movie(No.621)

・邦題:『奇談』
・原題:『奇談』
・監督:小松隆志
・脚本:小松隆志
・キャスト:阿部寛、藤澤恵麻他
・制作:2005年/日本
・ジャンル:ミステリー
・上映時間:88分
・評価:★★


【 コメント 】
個人的にも大好きな異色の漫画家・諸星大二郎氏の代表作『妖怪ハンター』シリーズの傑作短編『生命の木』を映画化した作品。東北の“隠れキリシタンの村”を舞台に、フラッシュバックする記憶の真相を確かめようとする女子大学院生と、異端の考古学者・稗田礼二郎が村に秘められた謎に遭遇するミステリー。監督は映画以外にテレビドラマも多く手がけている小松隆志監督。主人公の女子学生を演じるのはNHKテレビ小説「天花」のヒロイン、藤澤恵麻。考古学者・稗田礼二郎役には人気サスペンスシリーズ『トリック』の阿部寛。
1972年。民俗学を専攻する大学院生の佐伯里美は、幼い頃、一緒に遊んでいた少年とともに神隠しにあったという夢に悩まされていた。どうしても夢が頭から離れない里美は、昔、預けられていた親戚の家があった、東北の隠れキリシタンの里として知られる渡戸村に向かう。里美はそこで、村に伝わる聖書異伝「世界開始の科の御伝え」を調べていた考古学者・稗田礼二郎と出会う。そして2人はやがて、村の一部にある“はなれ”と呼ばれる集落にあらゆる謎の原因があることを突き止めるが...という物語。

他に類を見ない伝奇的テーマと画力で唯一無二の作品を世に送り出してきた漫画家・諸星大二郎氏。氏の作品では、過去2作が映画化されています。塚本晋也監督の『ヒルコ 妖怪ハンター』(1991)と早川渉監督の『壁男』(2007)。本作はこの2作に比べ、CGの技術を駆使して、原作の持つ雰囲気とスケールをそのまま表現しようとしています。なかなかCGを使ってもそう簡単に表現できる世界観ではないと思いますが、稗田礼二郎役などは『ヒルコ 妖怪ハンター』の沢田研二よりも阿部寛の方が、キャラクターには合っているかなと。ストーリー的にも、最後に多くの謎を謎として葬ったまま終わるのが残念ですが、それでも今後も諸星作品の映画化に期待してしまうのは、それだけ同氏の作品に圧倒的なオリジナリティと映像的な魅力があるからだと思います。

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