D-Movie(No.552)

・邦題:『ジョニー・スエード』
・原題:『JOHNNY SUEDE』
・監督:トム・ディチロ
・脚本:トム・ディチロ
・キャスト:ブラッド・ピット、アリソン・モイア他
・制作:1991年/アメリカ、スイス
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:95分
・評価:★★★


【 コメント 】
仲間とバンドを組んでロカビリー歌手になることを夢見るジョニー(ブラッド・ピット)。ある日の晩、公衆電話をかけている時に突然頭の上に降ってきた黒いスエードの靴を手に入れる。それから恋人が出来ては振られ、バンドを組もうとしては失敗し、何かに突き動かされるように人生が動き出す...という物語。
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)や『バロウズ』(1984)などの撮影を担当していたトム・ディチロの初監督作品。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の監督ジム・ジャームッシュ作品に通じるどこか滑稽でペーソスにあふれたオフ・ビートな感覚の作品です。
ブラッド・ピット演じる主人公ジョニーの純粋さがいいですね。ミュージシャンになるために、ペンキ塗りのバイトを嫌がり、女性との付き合い方もとにかく格好つけています。その若さゆえに人間関係がうまくいかないんですが、若さゆえの衝動や感情に突き動かされているジョニーはそれに気づかず、人生をコントロールできません。そしてさまざまな場面で他人を傷つけてしまうことになります。あまりの純粋さ、初心さにあきれる部分もあるのですが、誰の心の中にでも少しは存在しているようなキャラクターであるがゆえに、見終わった後は心に引っかかるものが残ります。こういうドラマにありがちな、葛藤、不安、暴力といった要素が全体的に抑えられているところも個人的には好感が持てます。

ブラッド・ピットの初々しさも印象的ですが、すごいのはロックスターのフリーク・ストームを演じるニック・ケイブですね。このフリーク・ストームはところどころに現れてはジョニーに助言を与えたりアドバイスをしたりしますが、凄みがあるようでいてどこかずれている。この怪しさがたまりません。それでいて曲を歌うときの存在感といったらっ。出来ることならライブシーンなんかも欲しかったですね。ちなみにジョニーのバンドメンバー役でサミュエル・L・ジャクソンもチラッと出ています。これまた若い。

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