舞台俳優のルイは、妻クロチルドと娘シャーロットのもとを離れ、俳優仲間で新しい恋人のクローディアと暮らしていた。しかし、クローディアは狭い屋根裏部屋で暮らすことに耐えられなくなっていた。そんなある日、クローディアは建築家の男性と出会い、新たな関係を築いていく。そんなクローディアの態度に耐えられなくなったルイはある決断を下し、行動に移すが...という物語。
ヌーベルバーグ次世代の旗手として活躍するフランスの名匠フィリップ・ガレルが、自身の息子ルイ・ガレルを主演に、一組のカップルの間で起こる感情の変化を描いた物語。関係の冷めた夫婦とその娘、そして夫の恋人。”ジェラシー”というタイトルですが、さほどどろどろした雰囲気ではなく、各個人がそれぞれ自分の人生を選択している感じがクール。さすがフランス映画。娘もまだ小さいけれど考え方は大人。ふらふらと迷う男と割り切る女。モノクロ映像が非常に美しく、大きな感情の揺れや山場がない分、それぞれの登場人物の心の機微が伝わってきます。もう少し主人公ルイの心情が掘り下げて描かれていればもっと感情移入できたかも。
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