【 コメント 】
ハロウィン・パーティでみんなとはしゃいでいたブライアン(ブライアン・カーウィン)とカレン(ダイアン・レイン)のパウエル夫婦。パーティの途中で産気づいたカレンはそのまま男の子を出産。無事生まれるものの、その子供は細胞の分裂が異常に速く、常人の四倍の早さで成長する病気を持っていた。夫婦は親しみを込めてジャックと名づけ育てることにする。そして十年後、学校に行かずに家で過ごしていたジャックは、家庭教師の勧めで学校に行くことになるが...という物語。
監督はフランシス・フォード・コッポラ、ジャックの母親をダイアン・レイン、ジャックの担任をジェニファー・ロペスが演じています。主人公の少年ジャックは、少年の心を持った大人、というか本作では見た目が大人で、中身はそのまま子供と言う設定。そうなると演じるのはこの人を置いて他にはいないでしょうというロビン・ウィリアムス。中身が大人ではなく子供なので、大人にはない純粋さや態度を表現しなければならないと思うのですが、そこはさすがロビン・ウィリアムス。しっかりと演じています。
ただ、”外見は大人でも中身は子供”という設定は、ハリウッド映画にはよくある設定(トム・ハンクス主演の『ビッグ』(1988)、同じくロビン・ウィリアムス主演の『フック』(1991)など)で、そう考えるとキャスティングも冒険は無く、中身が子供だからと言って外見もそのような大人である必然性は無く、結果的にはあまりにもストレートな出来となってしまったと言えるかもしれません。それでも、本作は監督のフランシス・コッポラが、病気で無くした自身の子供に捧げるために作ったともいわれていて、そういう意味では、全体を包む視点が非常に優しいまなざしで好感が持てます。ジャックと友達との交流でも、友達になりたいのに身体は大人なので、逆に(肉体的に)友達を傷つけてしまうようなエピソードは無く、エンディングも卒業した時点で終了となります。爆笑はありませんが、見終わった後に心温まる作品となっています。
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