D-Movie(No.587)

・邦題:『イン・ザ・ベッドルーム』
・原題:『IN THE BEDROOM』
・監督:トッド・フィールド
・脚本:トッド・フィールド他
・キャスト:トム・ウィルキンソン、シシー・スペイセク他
・制作:2001年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:131分
・評価:★★★★


【 コメント 】
メイン州に住むマット(トム・ウィルキンソン)とルース(シシー・スペイセク)のファウラー夫妻。二人にはフランク(ニック・スタール)という一人息子がいた。18歳のフランクは夏の間に実家に戻りアルバイトをしていたが、近所の二人の子供を持つ年上の女性ナタリー(マリサ・トメイ)と交際を始める。マットとルースはフランクが年上の女性と付き合うことに不安を感じながらも交際を見守るが、ナタリーに暴力をふるい、実質上離婚している元夫のリチャードが近所に住んでいたことからある事件が起こる...。

アンドレ・デュバスの短編”Killing”がベースとなった作品。監督は『ワイルド・ガンズ』(1994)や『アイズ ワイド シャット』(1999)などに出演していたトッド・フィールド。本作が長編初監督作。

愛する一人息子を失ってしまった夫婦の怒りと許しの葛藤の物語。どちらかというと理性派の夫マットと感情的になりがちな妻のルース。この二人の微妙な心情の揺れを実力派トム・ウィルキンソンとシシー・スペイセクが大熱演。ストーリー自体はサスペンス要素のドラマではよくある展開ですが、この二人の演技によって、非常に印象深い作品となっています。
まだまだ思春期の一人息子フランクとその彼女のナタリー。夫婦は表面上はどう装っていても、子連れで離婚歴のある年上女性との付き合いに不安を感じていたのは事実。そしてさまざまな伏線がありつつ、悲惨な事件は起こってしまいます。やがてそれは夫婦の心の深層に潜む感情までさらけ出してしまうわけですが、私は男性なので、マットの言い分がよくわかります。逆に女性の人はルースの言うとおりだと思うでしょう。
物語としては決して許される結末ではありませんが、これはどこか特別な世界の物語ではなく、ひょっとしたら私とアナタの物語でもあるのです。作品はそう問いを投げかけてきます。
この先夫婦がどうなるかはわかりません。ただ、エンディングに映し出される街のように、すべてはいつものように動き出すだけなのです。

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