D-Movie(No.503)

・邦題:『ダブリン上等!』
・原題:『INTERMISSION』
・監督:ジョン・クローリー
・脚本:マーク・オロウ
・キャスト:コリン・ファレル、キリアン・マーフィ他
・公開/制作:2005年/アイルランド、イギリス
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:102分
・評価:★★★


【 ストーリー 】
チンピラのレイフ(コリン・ファレル)は、こそ泥を働きながら、ケルト戦士かぶれの刑事に目を付けられている。スーパーで働くジョンは、恋人にふられ放心状態。バスの運転手ミックは、子供のいたずらでバスを転倒させてしまい、解雇される。そんな行き詰まりの男たちがふとしたことから出会い、現状打破のためにある計画を立ち上げるが ...。

【 コメント 】
アイルランドの街”ダブリン”を舞台に、行き場を失った男たちが繰り広げるどこかユーモラスなテイストのクライムストーリー。監督はアイルランド出身でこれがデビュー作のジョン・クローリー。『タイガーランド』(2000)、『マイノリティ・リポート』(2002)などへの出演と好評価で、当時ノリにノッていたコリン・ファレルが強烈なインパクトで登場。ハリウッドともちょっと違う雰囲気でリズム感あふれる作品となっています。

クレジット映像のセンスの良さや、オルタナティブっぽい音楽の使い方など、どこかダニー・ボイル監督の『トレインスポッティング』(1996)を想像させる立ち上がり。手持ちカメラを使ったり、映像を揺らしたり、インディーズっぽさを残した映像も特徴。...なんですが、二番煎じ的でちょっと胡散臭さが見え隠れします。
登場人物はみんな貧困と退屈のせいで目的を見失った人たちなんですが、社会的に追い詰められている感も『トレインスポッティング』のそれに比べると希薄。そこがちゃんと伝わらないと単なるドタバタになってしまいますし、突発的に起こる事件やトラブルも白けてしまいます。

それでも、ダメ男3人が集まって犯罪を企てて実行する後半からは、監督のユーモアのセンスが発揮されたのか、俄然面白くなってきます。みんなが同じマスクをかぶってシュールなやり取りを繰り広げる様子はまさにリアル『稲中卓球部』。目的を見失った若者の再生の物語や、男性不審の女性が自分自身を取り戻すプロセスもちゃんと見せますし、キレた刑事やTVディレクターのキャラクターもどんどん存在感を増してきます。最初からこのテンションが持続されていればもっと面白かったと思うのですが。ラストは結局悪いやつはそれなりの報いは受け、純粋な人はそれなりの幸せな着地をするという、予定調和的な部分は否めませんが、見終わった後の爽快感はなかなかでした。ホント、思い通りに行かないのが人生ですし、それがまた面白いんですねえ。

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