D-Movie(No.549)

・邦題:『マーダー・イン・レッド』
・原題:『INSTINCT FOR CRIME』
・監督:ウヴェ・ヤンソン
・脚本:ウヴェ・ヤンソン
・キャスト:リザ・マルティネク、アーニャ・クリング他
・制作:2003年/ドイツ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:98分
・評価:★★


【 コメント 】
ドイツで作られたTV映画。ベルリンの市街地で起こった連続放火殺人事件。捜査にあたるのは女刑事スザンナ。それぞれの放火事件には共通する、ある不可解な点があった。火事で死亡したのはその家の父親だけで、他の家族は無事。しかも、他の家族がわざと逃げられるように仕掛けてあった形跡が発見された。単なる放火事件として処理されつつある中、スザンヌは執拗に真実を暴こうとするが、そこにスザンヌと敵対する同僚たちの邪魔も入り..という物語。

卑劣な連続殺人事件にさまざまな謎が隠されていて、さらにそれを追う刑事が警察内で確執を抱えている、まさにサスペンスドラマの王道のようなストーリー。連続放火事件に生き残った目撃者の少女、さらに事件の謎も非常に不可解で、いろんな要素がてんこ盛りとなっています。ただ、ドラマとしては全編にわたってそれなりに緊迫感があるものの、どこかいろんな作品の焼き直しのような古さも否めないのが正直なところ。さらに誰が犯人かということについても、こういった類の映画をよくご覧になっている方はおそらくすぐに予想できたと思われます。犯行動機や殺人にいたるプロットもこれまたどこかで聞いたような内容。
事件の鍵を握る少女も、とってつけた感は否めず、中途半端な伏線となってしまっています。主人公のスザンヌと犯人の両方の人物像にもっと深みがあればよかったのですが。犯人のサイコっぽいキャラも最後に付け足されますが消化不良のまま。
DVDのパッケージを見ると、どこかブライアン・デ・パルマ監督のホラー映画の名作『キャリー』(1976)を彷彿させますが、内容はホラーの要素はほとんど無く、とっても素直なサスペンス。そのあたりが満足する人と物足りない人の二手に分かれそうですね。個人的には犯人の動機、事件の謎、クライマックス、どれもちょっと物足りない感じがしてしまいました。駄作というわけではないのですが、もっと面白くなりそうな予感はあっただけに残念。

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