D-Movie(No.509)

・邦題:『アイス・ストーム』
・原題:『THE ICE STORM』
・監督:アン・リー
・脚本:ジェームズ・シェイマス
・キャスト:ケヴィン・クライン、ジョーン・アレン他
・制作:1997年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:113分
・評価:★★★


【 ストーリー 】
1970年代のアメリカ。国中がウォーターゲート事件に揺れていた頃、ニューヨークに近い、中流家庭が多く居住するコネティカット州で、ベン(ケヴィン・クライン)とエレナ(ジョーン・アレン)は子供たちと幸せに暮らしていた。寄宿して私立の学校に通う長男ポール(トビー・マグアイア)が、帰ってくることになり、一家は家族全員で久しぶりに楽しいひと時を過ごすはずだったが...。

【 コメント 】
『いつか晴れた日に』(1995)、『ブロークバック・マウンテン』(2005)などを手がけたアン・リー監督作品。1970年代のアメリカを舞台に、一見幸せそうに見える中流家庭の冷め切った内実があらわになっていく様子を丁寧に描写した作品です。

まず、キャスティングがすごいですね。ケヴィン・クライン、ジョーン・アレン、シガーニー・ウィーバーと実力派の中年(?)が揃いました。さらに子供たちはクリスティーナ・リッチ、イライジャ・ウッド、トビー・マグワイアと今ではスターになった人たちばかり。みんなそれぞれのキャラクターにあった素晴らしい演技を見せます。中でもクリスティーナ・リッチは、演技もさることながら、ちょっと太っていた時期なんでしょうか、ぽっちゃり気味の体型が魅力的です。

主役となるフッド家とカーヴァー家は仲の良いお隣同士。いずれも表面的には幸せそうに見える家族なんですが、実はフッド家の夫ベンとカーヴァー家の妻ジェイニーは不倫の仲。ベンの妻エレナはうすうす感づいているものの、夫にどう対処してよいのかわかりません。さらにそれぞれの子供たちは思春期を迎え、性に対して興味津々。その表層とは裏腹に、どろどろとした人間関係が徐々にあらわになり、さまざまな問題が起こります。家族、仕事、収入、家など、条件だけを記号化して挙げればどちらの家族も”幸せ”な部類にカテゴライズされるでしょう。いえ、この二組だけでなく、登場する家族はみなそうだといえるかもしれません。しかしながら、誰も本当に幸せを実感しているものはおらず、ただ刺激を求めて愚行を繰り返します。もちろんそんな親たちを見て育った子供たちも然り。映画ではたまたま痛ましい事件によって、この冷め切った現状が実は本当は”幸せ”であったということを再認識できますが、そうでなければ彼らは決してどこにも行き着かないでしょう。全編に渡って登場する、氷や吹雪などの寒くて青い映像とともに、空虚なアメリカを描き出した作品です。

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