1964年。美しい女性デボラを射止め、子宝にも恵まれたリチャード・ククリンスキー。平穏な日々を送っていた彼だったが、ひょんなことからその度胸を見込まれ、ギャングのロイから殺しの依頼を請け負うようになる。1970年代半ば。殺し屋家業も板に付き、すっかり羽振りも良くなったククリンスキー。妻には為替ディーラーと偽り、家庭では相変わらず良き夫にして、良き父親としての顔を保っていた。そんな中、ロイとの契約関係が破綻し、仕事にあぶれたククリンスキーは、ミスター・フリージーというフリーの殺し屋に近づき、仕事を斡旋してもらうようになるのだったが...という物語。
“アイスマン”と呼ばれた実在の殺し屋リチャード・ククリンスキーの数奇な人生を描いた物語。良き夫と殺し屋の二つの人生を同時に生きた主人公。約20年間で100人以上といわれる殺人に関わったそうです。家族を守るために冷酷無比であり続けた男の哀しき人生。実際には奥さんに暴力も奮っていたようなので、映画の人物像ほど筋は通ってないようですが..。マイケル・シャノンは多くの映画賞で主演男優賞を獲得した『テイク・シェルター』(2011)でもそうでしたが、心に思惑を抱えこんだ男の役がうまいですね。彼の淡々としつつも狂気をはらんだ演技に終始引き込まれる作品です。20年前にクリストファー・ウォーケン主演で作られていたらもっと話題になったかも(笑)。
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