D-Movie(No.565)

・邦題:『舞台よりすてきな生活』
・原題:『HOW TO KILL YOUR NEIGHBOR'S DOG』
・監督:マイケル・カレスニコ
・脚本:マイケル・カレスニコ
・キャスト:ケネス・ブラナー、ロビン・ライト・ペン他
・制作:2000年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:98分
・評価:★★★


【 コメント 】
ヘビースモーカーで子供嫌いで皮肉屋のロス在住の英国人脚本家、ピーター・マクガウェン。人気作家だった彼も失敗作続きでちょっと落ち目。さらに子供を欲しがる妻や介護が必要な義母に囲まれ、うるさい隣人たちに辟易する日々。現在進行中の脚本作りも、子供の描写がうまく行かずに思い通り進まない。そんな折、近所に引っ越してきた家族の娘エイミーと付き合い始め、さまざまな物事が少しずつうまくいき始めたと思いきや、近隣とのトラブルが頻発し、とんでもない羽目に...と言う物語。何事もシニカルにこきおろす英国人をケネス・プラナー、彼の妻メラニーをロビン・ライト・ペンが演じています。製作総指揮はロバート・レッドフォード。

原題は『HOW TO KILL YOUR NEIGHBOR'S DOG』。一瞬画面に流れたときは、タイトルかどうか戸惑いました(笑)。その原題の雰囲気通りの少しひねくれた主人公と周辺人物とのきわどいやりとりが本作のポイント。ケネス・プラナー演じるピーターをはじめ、登場人物から発せられる言葉で物語が進行していきます。哲学的で抽象的な台詞も多くありますが、彼の飄々とした演技で、全体的に軽やかな味付けとなっています。さすがシェイクスピア役者ですね。演技派です。

どこか他人に対して閉じたところのあるピーターが身内や近隣の大人たちと相容れない中、子供であり、なおかつハンデを背負った少女エイミーは彼の目に純粋に映ったに違いありません。その純粋さに彼の心も解きほぐされていくわけですが、そこから生まれた感情を自分の世界の中でぶちまけるとき、トラブルが起こります。純粋さを抑えて、お互いに支えあっていくのが”大人”の世界。それまでの彼の子供っぽい言葉や態度が許容されてきたのは、周りが大人ばかりだったからに他なりません。エイミーのおかげで少しだけそのことに気づいたピーター。それでも彼は彼らしく生きていきます。すべてが丸く収まるハッピーエンドではありませんが、ほろ苦い幸せが余韻として残る大人のための作品です。

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