D-Movie(No.502)

・邦題:『ホテル・ニューハンプシャー』
・原題:『THE HOTEL NEW HAMPSHIRE』
・監督:トニー・リチャードソン
・脚本:トニー・リチャードソン
・キャスト: ロブ・ロウ、ジョディ・フォスター他
・公開/制作:1986年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:109分
・評価:★★


【 ストーリー 】
夢想家のウィン・ベリー(ボー・ブリッジス)は、結婚して5人の子供を授かり、幸せな日々を送っていた。しかしながら、教師という仕事に嫌気がさしていた彼は、家族全員が一緒にいられることを理由に、兼ねてから夢見ていたホテルの経営に乗り出した。一家の未来を背負い、意気揚々と船出した”ホテル・ニューハンプシャー”だったが、やがて次々と不幸な出来事が一家を襲う ...。

【 コメント 】
『ガープの世界』(1982)、『サイダーハウス・ルール』(1999)などで知られるジョン・アーヴィング原作作品。監督は1963年に『トム・ジョーンズの華麗な冒険』(1963)でアカデミー監督賞を受賞したトニー・リチャードソン。ロブ・ロウ、ジョディ・フォスター、マシュー・モディーンなど、まだまだ初々しさが残る俳優陣を中心に、ホテル・ニューハンプシャーを取り巻く人々の悲喜交々の人生をユーモアを交えて描いています。

ボー・ブリッジス演じる主人公のウィン・ベリーが念願かなってホテル経営を始めるところが物語の起点。そこから繰り広げられるベリー家の一代絵巻、ということなんですが、最初こそ視点が父親であるものの、途中から息子になったり娘になったり、なかなか特定の登場人物に感情移入することが出来ません。
また、とにかく波乱万丈で、最愛の妻と5人の子供たちに次々と考えられないような悲しい出来事や不幸が襲いかかります。家族の中の人間関係も複雑極まりなく、鼻っ柱の強い長女、同性愛者の長男、姉を異性として愛する次男、大きくなれないが文才のある次女、みんなそれぞれに入り乱れ、また問題を抱えています。さらに風変わりな祖父から、ホテルに滞在する奇妙な客たちなど、現実味の無い設定と展開。
実際、これだけの不思議な雰囲気の中で、それでも生きていくというたくましさ、その中に織り込まれたユーモアがジョン・アーヴィングの世界なのかもしれませんが、個人的には...ちょっと苦手です。『ガープの世界』もそうでした。
それでも、リアリティとは程遠いものの、人間の生と死、喜びと悲しみを同列に扱うようなある種の”軽さ”によって、見終わった後にポジティブなメッセージが伝わってくるのも事実。
人生は辛くて厳しい、しかしそれも一時の夢のようなもの、そしてそれこそが人生。それを”現実逃避”ではなく”タフ”と思える人にはハマる作品だと思います。ジョディ・フォスターの役はファンとしては今ひとつですが、演技は素晴らしいです。

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