D-Movie(No.646)

・邦題:『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
・原題:『A HISTORY OF VIOLENCE』
・監督:デヴィッド・クローネンバーグ
・脚本:ジョシュ・オルソン
・キャスト:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ他
・制作:2005年/アメリカ、カナダ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:96分
・評価:★★★★


【 コメント 】
『ザ・フライ』(1986)、『裸のランチ』(1991)などのデヴィッド・クローネンバーグ監督作品。家族と一緒に平凡で幸せな生活を営んでいた男が、突然暴力の世界に巻き込まれていく様を描いたドラマ。主人公のトムを演じるのはヴィゴ・モーテンセン。彼にまとわり付く裏社会の男たちに、エド・ハリス、ウィリアム・ハートといった、個性派のベテラン俳優がキャスティングされています。

小さな町でダイナーを経営すトム・ストール。愛する妻と息子に娘の4人で仲睦まじく暮らしていた。そんなある日、トムのダイナーに銃を持った強盗が押し寄せる。銃を突きつけられ、有り金を渡そうとするトムの前で、強盗の一人が客を撃とうとした瞬間、トムは突然反撃に出て、あっという間に二人を倒してしまう。このニュースがテレビで流れ、トムは一躍町のヒーローに。ダイナーも大忙しとなるが、やがてトムの前に怪しげな男が現れる。男はトムのことを「ジョーイ」と呼び、フィラデルフィアである人物に会えという。わけのわからないトムは拒否するが男はしつこく付きまとい...という物語。

”暴力”をテーマにしたドラマですが、冒頭から緊張感にあふれ、さらに途中からサスペンスやミステリーのような趣も加わり、独特の雰囲気を持った作品となっています。幸せな家庭が突然降りかかった災難によって一変するというストーリーですが、ものすごいバイオレンスアクションがあるわけではないものの、殺傷場面などはクローネバーグ特有のグロさが出ています。主人公の生死を案じさせるだけでなく、余韻を残すラストもいいですね。
クローネンバーグの映画としてはとてもよくできていると思いますが、一方でこれが、例えばミステリー作品としてコーエン兄弟が監督だったら...とか、衝撃的なグロい場面も、さらにデヴィッド・リンチだったらどうなっただろう、などと考えてしまいます。そういう意味では、鬼才クローネンバーグ監督としての振れ幅はちょっとおとなしめで、★満点には届かない感じです。

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