D-Movie(No.687)

・邦題:『メタルヘッド』
・原題:『HESHER』
・監督:スペンサー・サッサー
・脚本:スペンサー・サッサー他
・キャスト:ナタリー・ポートマン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット他
・制作:2010年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:100分
・評価:★★★★


【 コメント 】
自動車事故によって母親を失った少年T.Jとその父親ポール。二人は未だにその悲しみから立ち直れず、父親は家のソファーで寝てばかり。T.Jは事故にあって廃車になる車を買い戻そうと必死になるが叶わない。そんなある日、T.Jが出会った上半身が裸で長髪の怪しい男ヘッシャー。彼は突然家に現れ、そのまま住みついてしまう。下品で粗暴、ヘヴィメタルをこよなく愛するヘッシャーは、家族を相手にやりたい放題。ポールとT.Jはヘッシャーを追い出す気力もなく、なすがままにされているが、ヘッシャーの振る舞いが二人に微妙な心の変化を与えていく...という物語。

監督は本作で世界的に注目を集めたスペンサー・サッサー。主人公の男の子T.Jが出会うレジ打ちの女性ニコールを演じたナタリー・ポートマンが製作にも名を連ねています。彼女にとっては初となるプロデュースとなる作品。傍若無人のヘヴィメタ野郎、”ヘッシャー”を演じるのは『インセプション』(2010)のジョセフ・ゴードン=レヴィット。

妻を、母親を失い、途方にくれる親子。そこに現れたとんでもない迷惑男ヘッシャー。彼が家族に嫌われながらも何かしらの影響を与えていきます。長髪で上半身裸の風貌から、時にはヘヴィメタ男、時にはキリストにも見えます。最初は家族に迷惑をかけつつ、最後はいい影響を与えるというシチュエーションながら、それが救いになるほどの善意ではないところが、それなりにバランスが取れていると思いました。ジョセフ・ゴードン=レヴィットの暴力的でありながら静かな佇まいもある種のリアリティがあります。T.Jと父ポールにとって、ヘッシャーは決して救いにはならなかったけれど、少なくとも人生が前に進むしかないことに気づかせてくれたのは間違いないのではないでしょうか。関係者の死が終盤のエピソードの中心になるところは、同じようなシチュエーションの作品にありがちな感じでしたが、スピード感のある映像もかっこよく、激しくも切ない作品です。

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