D-Movie(No.561)

・邦題:『狼たちの処刑台』
・原題:『HARRY BROWN』
・監督:ダニエル・バーバー
・脚本:ゲイリー・ヤング
・キャスト:マイケル・ケイン、エミリー・モーティマー他
・制作:2009年/アメリカ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:109分
・評価:★★★


【 コメント 】
病気で入院している妻を看病しながら、公共団地で一人で暮らす老人、ハリー・ブラウン。行きつけのパブで親友のレナードとチェスをするのが唯一の楽しみ。しかし、団地内では麻薬の売買が横行し、治安は悪くなる一方。そんな中、親友レナードが、ギャングたちに惨殺されるという事件が発生、犯人の少年たちは逮捕されたものの、正当防衛を主張してお咎めなし。あまりにも理不尽な現実に、ハリーは元海兵隊員の経験を元に自ら復讐を決意する...という物語。

年老いた主人公が元軍隊などのつわものだった経験を持っていて、さらにそれを演じるのが渋い男優で、彼の親しい人が殺されたにもかかわらず、何らかの理由により犯人たちは罰せられないため、みずから復讐に乗り出すという展開、さらに邦題に”狼”...とくればチャールズ・ブロンソン的な超ハードボイルドな復讐劇!を想像してしまいます。
しかしながら本作は静かに老後を暮らす老人ハリー・ブラウンを演じるマイケル・ケインが所狭しと悪党どもを次々に血祭りにあげる、というような場面はほとんどありません。どちらかというとかなり地味で渋めに仕上がっています。邦題はあくまでもそういう風に思わせようというノリでついているだけです。

では、内容的につまらないかというとそんなことはありません。ハリーの一挙一頭足、台詞の端々ににじみ出る大人の匂いがいい雰囲気をかもし出しています。このあたりはさすが英国の重鎮マイケル・ケインのすごさですね。全体的に派手さはありませんが、警察の駄目さ加減も含めてリアリティもありますし、少し暗めの映像もかっこよく、とある老人の男気がしっかりと感じられる厚みのある作品になっていると思います。個人的には『24アワー・パーティー・ピープル』(2002)でジョイ・ディビジョンのボーカル、イアン・カーティスを演じたショーン・ハリスの怪演に驚きました。
さすがに売り文句に困ったのか、日本では残念ながら劇場未公開です。

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