【 ストーリー 】
幸福な生活を送っていた女子高生のルビー(リーリー・ソビエスキー)は、突然の両親の事故死で弟とふたりきりになってしまう。幸い莫大な遺産があり、さらに昔の隣人であるグラス夫妻が養父母となったことから、何不自由ない暮らしを手に入れる。しかし、グラス夫妻には不審な行動が多く、ルビーは不安を覚えはじめる...。
【 コメント 】
突然の交通事故で両親を亡くし、昔の隣人である夫妻の元に預けられた姉と弟。大きな家で不自由なく暮らしているものの、どこか不信感の募る夫婦の行動の裏には驚くべき計画が進行していた、というサスペンスドラマ。監督は『X−ファイル ザ・ムービー』(1988)の製作を手がけたデニエル・サックハイム。主人公となる姉ルビー役を『ディープ・インパクト』(1998)や『アイズ ワイド シャット』(1999)に出演しているリーリー・ソビエスキーが演じています。二人の子供の後見人となるのは、ステラン・スカルスガルドとダイアン・レインのコンビ。
両親の事故死という突然の展開から始まりますが、後見人夫婦に預けられてからの進行が丁寧で、静かな狂気が進行している感じがいいですね。冒頭こそホラー映画を導入してどぎつい描写があるものの、物語が始まってからはあえてそういう場面を避けて心理描写に力を入れている感じが伝わってきます。主人公を演じるリーリー・ソビエスキーも魅力的で、かつ思春期の現実と妄想の狭間に揺れる乙女心を上手く演じていると思います。さすが第二のジョディ・フォスターと称されるだけあります。ただ、夫役のステラン・スカルスガルドは個人的に好きな俳優ですし、リアリティをもって演じているのでいいのですが、妻役のダイアン・レインの方が...。私のように40歳前後の人間にとってはアイドル的な一面もある彼女ですが、晩年はあまり役に恵まれていない気がしてなりません。今回も最期はなかなかのシチュエーションです。
全体的にはサスペンス・ドラマとしては、まとまっていると思いますが、さまざまな伏線があまりにもわかりやすく、演出も真っ当すぎるのか、映画というよりもどこかテレビドラマを見ているような感覚に陥ります。遺産管財弁護士役にブルース・ダーン、福祉局の調査員にキャシー・ベイカーなど、渋いキャスティングも面白いので、このあたりがもっとストーリーに絡んでくると厚みがましたのではないかと思いますが。
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