D-Movie(No.516)

・邦題:『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』
・原題:『GET RICH OR DIE TRYIN'』
・監督:ジム・シェリダン
・脚本:テレンス・ウィンター
・キャスト:カーティス・“50 Cent”・ジャクソン、ジョイ・ブライアント他
・制作:2005年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:116分
・評価:★★★★


【 ストーリー 】
ニューヨークのクイーンズ。父親を知らずに育ったマーカス少年は、ドラッグの売人をしながら自分を育ててくれる母親とともにたくましく育っていた。そんなある日、母親が別の売人とトラブルを起こしてしまう。その場は何とか切り抜けたものの、やがて母親は何者かに殺されてしまう。母親の復讐を誓ったマーカスはいつしか自分も売人の道を歩み始める...。

【 コメント 】
ラッパーとして活躍するカーティス“50セント”ジャクソンが自ら出演し、その生い立ちから地獄を潜り抜けて成功をつかむまでのプロセスを描いた物語。監督は『マイ・レフトフット』(1989)や『父の祈りを』(1993)を手がけた、アイルランド出身のジム・シェリダン。それまでとは全然違う素材ながら、最初から最後まで緊張感漂う作品に仕上げています。

ギャングスタ・ラッパー自らが主役を演じた自伝的映画というとエミネムの『8 Mile』(2002)が浮かびますが、本作も基本的には同じような雰囲気です。どちらにも共通しているのは、成功をつかむための手法やプロセスに焦点を当てるのではなく、彼らの暮らす環境に焦点が当たっているところ。貧困の中で、ギャングとして生きるしか選択肢がなく、多くの仲間が暴力によって命を落とす、そんな地獄に生きている実態が生々しく描かれています。これが日本だったらファンタジーですが、本当にアメリカでは有名なラッパーが何人も命を落としていますからね。それにしても9発の弾丸を食らいながら命をとりとめ、音楽で成功を収めるというストーリーはホントできすぎ。映画がどこまで真実かは別としても、こういうことがあるんですねえ。
ラップによって世界の音楽地図が塗り替えられ、いまやアメリカのヒットチャートはほとんどがラップミュージックですが、それでも彼らを取り巻く危険な状況は、例えば10年前となんら変わっていない気がします。ラップも多様化し、ギャングスタ関連も一時期よりは勢いが無くなった気がしますが、アメリカにおける貧富の差と差別が無くならない限り、本当に骨太のラップミュージックも無くなることは無いでしょう。しいて言えば、エミネムの作品もそうでしたが、逆にミュージシャンとして成功をつかむまでの努力やプロセスが割りと省略されてしまうのが残念なところ。それはそれでものすごい競争があるはずですので。しかしながら、流れる音楽もよく、いろんな意味で凄みを感じさせる作品です。

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