D-Movie(No.596)

・邦題:『フリーダ』
・原題:『FRIDA』
・監督:ジュリー・テイモア
・脚本:クランシー・シーガル他
・キャスト:サルマ・ハエック、アルフレッド・モリナ他
・制作:2002年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:123分
・評価:★★★★


【 コメント 】
アントニオ・バンデラス主演の『デスペラード』(1995)で一躍有名になったメキシコの女優サルマ・ハエック主演の映画。監督は『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)のジュリー・テイモア。フリーダの夫役を演じるのは、『スパイダーマン2』(2004)の悪役も印象的だったアルフレッド・モリナ。メキシコで最も有名な画家の一人に数えられるフリーダ・カーロの波乱万丈の人生を綴った作品です。

フリーダ・カーロは幼い頃の病気で右足が不自由な上に、18歳の時に乗っていたバスが路面電車と衝突、瀕死の重傷を負いました。それでも数十回にわたる手術を繰り返しながら、入院中に必死に絵を学び、やがてメキシコで名を馳せていた画家・ディエゴ・リベラにその才能を認められ世に出るきっかけをつかみます。その後リベラと結婚するも、お互いの浮気やバス事故の後遺症に伴う流産などにより離婚、そしてまた翌年の復縁など、多難な人生を歩み、晩年は怪我の後遺症と闘いながら多くの絵を完成させました。彼女の独特のタッチと色彩による作品は、多くのシュルレアリストに高く評価されました。

フリーダ・カーロの絵は何度か本物を見たことがありますが、その圧倒的なパワーに負けず劣らずの情熱的な映画になっていると思います。事故と後遺症との闘いはもちろん、リベラとの愛と確執、トロツキーとの不倫など、一人の人間としての、女性としての苦悩や喜びが全編にわたって詰め込まれています。
フリーダの奔放な生き様は多くの人々の共感を呼び、映画化も何度かされていますが、本作は特にフリーダと母国を同じくする女優・サルマ・ハエックの想い入れが強く、実際に彼女はプロデューサーも兼ねたようです。フリーダ役の彼女の演技も鬼気迫るものがあり、そういう意味では、フリーダのことを知らない人にも、一人の女性画家の壮絶な伝記映画として楽しめるのではないかと思います。個人的にはちょっとなじみませんでしたが、途中、心象風景としてのコラージュやモーフィングなどを駆使した映像が挿入されるのも印象的です。

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