D-Movie(No.494)
・邦題:『7月4日に生まれて』
・原題:『BORN ON THE FOURTH OF JULY』
・監督:オリヴァー・ストーン
・脚本:オリヴァー・ストーン他
・キャスト:トム・クルーズ、ブライアン・ラーキン他
・公開/制作:1989年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:145分
・評価:★★★

【 ストーリー 】
アメリカの独立記念日である7月4日に生まれたロン・コーヴィック(トム・クルーズ)は、野球と戦争ごっこが大好きな少年だった。やがて成長し、高校生となったロンは、ある日学校にやってきた海兵隊の特務曹長の言葉に感銘をうけ、「国を守るため」と海兵隊に入隊する。しかしながら、13週間の訓練を経て、ヴェトナムに送り込まれた彼を待ち受けていたのはまさに地獄だった...。

【 コメント 】
第59回アカデミー賞・作品賞に輝いた『プラトーン』(1986)から始まる、オリヴァー・ストーン監督の”ベトナム3部作”の2作目。アメリカの独立記念日に生まれ、ヴェトナム戦線に身を投じて戻ってきた青年が、さまざまな苦難を乗り越え、反戦運動に身を投じてゆく物語。ロン・コーヴィックの実体験に基づく同名小説がベースとなっています。本作もアカデミー賞8部門にノミネートされ、監督賞と編集賞を受賞するなど、高い評価を得ました。

『トップガン』(1986)で大ブレイクしたトム・クルーズが、女性ファンによるミーハー人気脱出をもくろみ、アカデミー賞獲得に向けて渾身の演技を見せます。髪の毛を抜いてまで役作りに挑んだという熱意には脱帽。ただどうしても彼が演じる主人公ロン・コーヴィックに100%感情移入出来ません。

国家の言うことを信じ、自ら志願した戦場で体験する地獄、そして帰還後に経験する差別。国家に、戦争に翻弄された青年の葛藤と自立の物語、なんですが...基本的にすべて彼の判断ですし、彼にプレッシャーをかけ、愛国心を育てたのも彼と同じアメリカ人、ベトナム帰りの彼に手のひらを返したように冷たく当たるのも同じアメリカ人、一歩引いて見ると、自分たちのエゴによって生まれる社会のひずみを自ら浄化しようとしているだけのような気もしてしまいます。また、国家に翻弄された、と言い切ってしまうのも少し気が引けます。きっかけは彼と親との人間関係がかなり影響していると思われるからです。親の影響もあって選んだ境遇なのに、すべて国家のせいにしてしまっている感も無きにしも非ず。もちろん、純粋な若者がそういう選択をせざるを得なかった社会を描いているという意味ではその通りですが、もし彼が元気に英雄として帰って来ていたら...と想像せざるを得ません。もちろん、帰還兵を取り巻く悲惨な状況を描ききった部分、そしてそれを演じたトム・クルーズの演技は賞賛に値すると思います。

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