フロリダ州オーランド発アトランタ行きの旅客機が突如制御不能に陥り、急降下を始める。もはや墜落は避けられないと思われた危機的な状況の中、機長のウィトカーは驚異的な操縦テクニックで機体を不時着させ、犠牲者を最小限にとどめて多くの命を救うことに成功する。その奇跡の着陸はマスコミに賞賛され、ウィトカーは一夜にしてヒーローとなるが、彼の血中からアルコールが検出されたことで事態は思わぬ方向へ。もし飲酒が表沙汰になれば、場合によっては過失致死で終身刑の可能性も。そこでウィトカーは、弁護士のラングとともに事実の隠蔽に動き出すが．．．という物語。

奇跡的な緊急着陸を成功させて多くの人命を救ったパイロットが、ヒーローから一転して全てを失う危機に直面する物語。旅客機＋法廷劇というシチュエーションで、サスペンスっぽい雰囲気もありますし、ロバート・ゼメキス監督ならではとも言える、ジャンボジェット機が背面飛行から無事胴体着陸するシーンはかなりの迫力なので、サスペンス＆アクション映画とも言えなくないですが、内容的には一人の人間の葛藤を描いた深みのある人間ドラマです。この難しい役をデンゼル・ワシントンが熱演。見終わった後に、切なさと静かな感動に包まれる作品だと思います。