D-Movie(No.692)

・邦題:『名前のない少年、脚のない少女』
・原題:『OS FAMOSOS E OS DUENDES DA MORTE』
・監督:エズミール・フィーリョ
・脚本:エズミール・フィーリョ他
・キャスト:エンリケ・ラレー、イズマエル・カネッペレ他
・制作:2009年/ブラジル、フランス
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:101分
・評価:★★★★


【 コメント 】
ブラジルの新進気鋭、エズミール・フィーリョ監督の長編デビュー作。田舎町でインターネットに居場所を求める青年の、閉塞感に包まれた青春の一ページを描いた作品。

ブラジル南部の小さな田舎町に母親と二人で暮らす16歳の少年。家にも学校にも居場所を見つけられない彼は、“ミスター・タンブリンマン”というハンドルネームでインターネットに自分の詩を投稿するのが唯一の楽しみ。やがて彼はネット上に自らの写真やビデオを登校している少女”ジングル・ジャングル”を見つけ、彼女に惹かれ、のめりこんでいく。しかし彼女は恋人ジュリアンと一緒に自殺を図り、もうこの世には存在していなかった。そんな折、彼は街で自殺したものの生き残ってしまったジュリアンと出会い、そしてまた別の自殺に遭遇する。不安、絶望、焦燥、自分で処理できない感情に包まれた彼の中で、現実世界と仮想世界の境界線が曖昧になっていく...という物語。

写真作品をよく見ますが、個人的に好きなのは”映像”的な作品。物語の一瞬を切り取ったような、映画の一場面のような、そんな写真が好きです。本作はその逆で、映像でありながら、どこか”写真”を感じさせる雰囲気があります。これがまた個人的にハマりました。いい意味で古さを感じさせるようなアナログ的な映像。それにボブ・ディランの曲が見事にマッチしています。思春期の男の子の心の純粋さや脆さがそのまま映像になった感じ。インターネットを通じて”誰か”と簡単につながることはできるけれど、”誰か”は決してこの世界から救いだしてはくれない。自分が生きているのが現実世界である以上、自分の足で進むしかないのです。それがわかっていながら、それでも待っている、そんな現代の若者のリアルな姿が瑞々しく描かれています。個人的には好きですが、映像美に重きを置いた抽象的な作品が苦手な方は避けた方が無難かも。ガス・ヴァン・サント監督作品なんかが好きな方にはおススメです。

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