恋人のブライスとの結婚を控え、順風満帆な日々を送っていた女性教師、アンナ。ある日、ニューヨーク中を震撼させていた殺人鬼“涙のジャック”による殺人現場を目撃してしまう。犯人に気付かれ、襲われるも一命を取り留める。しかし昏睡から目覚めたとき、彼女は相貌失認となってしまい、恋人や親友どころか、鏡に映る自分の顔さえも認識できなくなってしまっていた。唯一の目撃者として捜査に協力するものの、犯人の顔を思い出すことが出来ないアンナ。しかも、自分を抹殺しに来るかも知れない犯人に気付くことも出来ない恐怖で次第に平静を保てなくなってしまうのだった...という物語。
人の顔や表情を識別できない“相貌失認”という障害に陥ったヒロインをミラ・ジョヴォヴィッチが演じるサスペンス。”他人の顔がわからない”というシチュエーションはなかなか面白いのですが、その設定をどこまで活かしきれているかというとちょっともったいない気も。犯人のキャラクターも弱く、行動にもツッコミどころが多いです。誰が犯人かもある程度予想できてしまいますしね。ミラ・ジョヴォヴィッチはさすがの存在感で、主人公の心情を表現するため、彼女が見ている相手を、同じ人物でも違う俳優さんを使う演出は面白かったです。設定から、少し期待値が上がってしまったのかもしれませんが、全体的な完成度としては普通です。
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