世界最大の検索エンジンを運営するブルーブック社でプログラマーとして働くケイレブは、社内試験の結果、社長のネイサンが隠遁生活を送る山荘に招かれ、1週間滞在できる権利を得る。しかし人里離れたその場所は、リゾートなどではなく、ネイサンが人工知能を開発するための研究施設だった。そしてケイレブに与えられた役目は、ネイサンが開発した人工知能の実用性と人間性についてのテストに協力することだった。そんなケイレブの前に、女性型の美しきロボット“エヴァ”が姿を現わす。精巧なエヴァに興味を抱き、戸惑いつつも彼女との会話を重ねていくケイレブだったが...という物語。
『ザ・ビーチ』(2000)など、ダニー・ボイルとのコラボレーションで知られるアレックス・ガーランドの初監督作品。脚本も手がけています。人工知能をテーマにした作品はいろいろありますが、本作は、単純にAIが暴走したり、人間の敵になったりという設定ではなく、AIと人間のボーダーがなくなる未来をリアリティを持って描いています。クールな映像によって、序盤からサスペンス要素も漂っていて最後まで緊張感が持続します。AIと人間の知能が完全に対等になったとき、人間はその”感情”ゆえに、AIにコントロールされてしまうのかもしれません。大きな山場はありませんが、AIが人類にもたらす恐怖をじんわりと描いた作品です。
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