No.8
タイトル
激突!
(原題)
DUEL
監督
スティーヴン・スピルバーグ 
制作
1972年/アメリカ
ジャンル サスペンス
上映時間
90分
評価
★★★★★
<ストーリー>
カリフォルニアに向かっていた平凡なセールスマンのデヴィッド・マン(デニス・ウィーヴァー)は、ハイウェイを飛ばしている途中どでかいタンクローリーと競り合い、結果追い抜くのに成功する。ところがこのなんでもないカーチェイスがとんでもない恐怖の始まりだった.......。


<コメント>
ハリウッドが誇る天才スティーブン・スピルバーグ監督の伝説の傑作です。
ストーリー・設定等、内容はいたってシンプル。主人公のデヴィッド・マンは平凡なサラリーマンですし、彼の乗る車もごく普通の乗用車です。相手のタンクローリーこそでかいものの、ミサイルやら何やらを発射するわけでもありません。タンクローリーの運転手は常軌を逸した行動をしますが、人物そのものは画面に出てこないため少なくとも表面的には何ら狂気を予感させません(もちろんこれらは”仕掛け”のうちだと思いますが)。

一言で言うと単なる”カーチェイス”なのですが、脚本も良く出来ていますし(脚本はリチャード・マシスンでTV版のトワイライトゾーン等、数多くの作品の脚本・原作を手がけています)、何よりスピルバーグの演出が冴えまくっていて全く飽きさせません。
よく”何気ない日常に潜む恐怖”を描いた作品がありますが、やはりどこかで突然非日常が滑り込んでくるものです(例えばちょっとエキセントリックな人が出てきて生活をかき乱したり、全く身に覚えの無いトラブルに突然巻き込まれたり)。
ところがこの作品では知らないうちにタンクローリーが何か得体のしれない怪物に見えてきて、気づいたときには主人公と同じく”追われるもの”の立場に追いやられてしまっています。

この作品はもう何十回も見ていますが、それでも飽きないのは、映画(もともとはTV用に作られたものだったらしいですが)の原点とも言える対決のシチュエーションを素晴らしい演出で描ききっているからだと思います。また、通常こういうストーリーは大体悪者が死んで終わるだけですが、この作品では、何とも言えない余韻が残ります。このあたりは監督のアイデアでしょうか。

スピルバーグ監督の作品は夢や勇気を描いたものが多く、やたらと子供が活躍したりするところが個人的にはあまりなじめないのですが、これは彼の演出力を存分に楽しめる、彼の代表作『ジョーズ』(1975)に勝るとも劣らない傑作だと思います(というのはちょっと言い過ぎかな?)。

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