D-Movie(No.536)

・邦題:『ダウン・イン・ザ・バレー』
・原題:『DOWN IN THE VALLEY』
・監督:デヴィッド・ジェイコブソン
・脚本:デヴィッド・ジェイコブソン
・キャスト:エドワード・ノートン、エヴァン・レイチェル・ウッド他
・制作:2005年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:112分
・評価:★★


【 ストーリー 】
ロサンゼルス郊外の住宅地、サンフェルナンド・バレーで父と弟の三人で暮らす17歳の少女トーブ(エヴァン・レイチェル・ウッド)。ある日、彼女は、ガソリンスタンドで働く風変わりなカウボーイ姿のハーレン(エドワード・ノートン)と出会い恋に落ちる。職を辞め、奇妙な言動を繰り返すハーレンに厳格な父親は良い感情を示さず、二人を引き離そうとするが...。

【 コメント 】
『アメリカン・ヒストリーX』(1998)や『ファイト・クラブ』(1999)など、個性的な役柄を見事にこなすエドワード・ノートン主演作品。製作にも名を連ねています。相手役17歳の少女トーブを演じるのは、エヴァン・レイチェル・ウッド。トーブの父親で厳格な刑務官という役を演じるのはデヴィッド・モース。

映画はエドワード・ノートン演じる一風変わったカウボーイ・ハーレンが街にやってくるところから始まります。一方で厳格な父の元、閉塞した日常生活を送っていた少女トーブ。二人はガソリンスタンドで出会い、一瞬にして恋に落ちます。そこから前半はハーレンのちょっと変わった言動に惹かれるトーブの恋の物語が描かれています。エヴァン・レイチェル・ウッドがかわいいですね。父親役のデヴィッド・モースもいろんな役をこなす人ですが、ここでは銃を愛し、常に強者であろうとする保守的なアメリカを体現した父親役を演じています。離婚もしているというおまけ付き。で、二人は父親の邪魔にもめげず愛を育んでいきます。ところがこのハーレンが実は心に闇を抱えていた人物だったというのが後半の展開。そこから物語はアメリカ的闇をはらんだドラマに急転換していきます。こういうアメリカというある種の弱肉強食社会で、自立ではなく孤立してしまった弱者としての個人が引き起こす問題を描いた映画はたくさんあります。本作も最終的にはそういった作品と同じような切ない終焉を迎えます。ところが、本作ではこのハーレンが持つ心の闇が、残念ながら十分に描かれていません。途中、ハーレンが鏡に向かってつぶやいたり銃を抜いたり、さらに両親に支離滅裂な手紙を書くくだりは『タクシードライバー』のデ・ニーロを髣髴させます。しかしながら、それだけでは彼の闇の理由が表層的にしか伝わってきません。エドワード・ノートンは個人的に大好きな俳優で、実力もあると思うのですが。。サンフェルナンド・バレーの風景や音楽が素晴らしいだけに残念。

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