D-Movie(No.513)

・邦題:『ゲット・ア・ライフ』
・原題:『DOING HARD TIME』
・監督:プレストン・A・ホイットモア二世
・脚本:プレストン・A・ホイットモア二世
・キャスト:ボリス・コジョー、マイケル・K・ウィリアムズ他
・制作:2004年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:101分
・評価:★★


【 ストーリー 】
麻薬取引のトラブルから住宅街で銃撃戦が発生。偶然、近くで遊んでいた子供が流れ弾の犠牲となってしまう。容疑者のレザーとカーティス(マイケル・K・ウィリアムズ)は薬物不法所持で有罪となるも殺人については無罪の評決。最愛の息子を失い自暴自棄になったマイケル(ボリス・コッジョー)は復讐のために罪を犯し、2人が収監されている刑務所へ送られる...。

【 コメント 】
麻薬取引のトラブルに巻き込まれて死亡した息子の復讐を行うために、自ら罪を犯し、容疑者のいる刑務所に送られる道を選んだ父親の物語。
冒頭からドキュメンタリータッチの銃撃戦。やたらと音楽を強調するでもなく、スタイリッシュな映像を求めるでもない姿勢が、その後のハードなストーリーを予感させます。
事件に巻き込まれてなくなってしまう息子、そして悲しみにくれて自暴自棄になる父親マイケル。生きる意味を見出せず荒れた私生活の果てにたどり着いたのは復讐の旅路。息子の無念を晴らすべくマイケルは立ち上がります。

前半はマイケルの状況と容疑者の二人の刑務所での様子が交互に登場しますが、マイケルの人間関係やドラマがどこか浮ついていて逼迫した感じが伝わってきません。やたらとお酒をあおっているのはいいのですが、もともと知性のある男が事件をきっかけに暴力による解決を求めるプロセスが希薄に思われます。刑務所内の描写に関しては、同様の作品と比較してさほど目新しさはありませんが、それなりに緊張感は伝わってきます。
マイケルが刑務所に入ってからは、いよいよ復讐劇の始まりとなるのですが、同時に、容疑者の一人である通称ダーティの人間関係や感情の変化にフォーカスが当たり始め、ここから主役が二人になってしまいます。追う者と追われる者、二人のドラマが同時進行するという意味では面白い試みなのですが、ここまではやはりマイケルに感情移入して見ざるを得ないので、刑務所内ではマイケルの復讐の物語がどこか軽くなってしまいます。
そして終盤は完全にダーティが主人公に。二人の男はそれぞれに家族のために生きていて、そのために復讐に燃えたり、生き延びることに奔走するわけですが、これがものすごい沸点で交錯するかと言うと、マイケルの復讐心もダーティの家族愛も中途半端で、ラストもいろんなことが消化不良。ストーリーは意外な展開がいくつかあって、おっと思える部分もあっただけに惜しい作品です。

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