南北戦争勃発前夜のアメリカ南部。賞金稼ぎのドイツ人歯科医キング・シュルツは、お尋ね者三兄弟の顔を知る黒人奴隷ジャンゴを見つけると、彼の鎖を解き放ち、三兄弟の追跡に繰り出す。その後、ジャンゴの腕を見込んだシュルツは、彼を賞金稼ぎの相棒にして2人で旅を続けることに。しかし、そんなジャンゴが真に目指す先は、奴隷市場で生き別れた最愛の妻ブルームヒルダのもと。やがて、彼女が極悪非道な農園領主カルビン・キャンディに売り飛ばされたことを突き止めたジャンゴとシュルツ。2人はキャンディに近づくため、ある周到な作戦を準備するのだが...という物語。
『キル・ビル』(2003)のクエンティン・タランティーノ監督作品が、構想10年をかけたというマカロニウェスタン。とはいえ、南北戦争直前の黒人奴隷制を真正面から描きつつ、そもそも主人公も黒人という、一筋縄ではいかないところがタランティーノ。彼らしい派手なアクションも満載。何より、ジャンゴを導くマスター的存在のシュルツがよいです。演じたクリストフ・ヴァルツは同年アカデミー賞の助演男優賞に輝きました。ジャンゴの射撃がすごすぎるなど、ちょっと都合がよい部分もありますが、相変わらず音楽の使い方もうまく、見終わった後にお腹いっぱいになれる作品です。
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