D-Movie(No.881)

・邦題:『CURE キュア』
・原題:『CURE キュア』
・監督:黒沢清
・脚本:黒沢清
・キャスト:役所広司、萩原聖人他
・制作:1997年/日本
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:111分
・評価:★★★


奇妙な殺人事件が立て続けに発生していた。それぞれの事件の犯人につながりはないが、犠牲者の首から胸にかけてがX字型に切り裂かれていること、いずれの加害者も事件直後に犯行現場付近で逮捕されること、そして犯行の直前まで犯人に明確な殺意がなかったことが共通していた。一向に進展しない捜査に加え、妻が精神を病んでいることも重なり、苛立つ高部刑事。やがて、一連の事件に関連のある人物として記憶喪失の放浪者、間宮が浮かび上がる。間宮の事件への関与を確信した高部は、彼を拘留し尋問を続ける。しかし間宮は独特の話術を弄し、周囲の全てを不安と苛立ちへと追い込んでいく...という物語。

マインドコントロールによって猟奇殺人を引き起こしていく謎の男と刑事の対決を描くサイコサスペンス。普通の人間が日常の延長線上で殺人を犯す、記憶の曖昧な人間に洗脳される、スプラッター描写も多少ありますが、じわじわと精神的に追い詰めてくる作品です。犯人を追い詰めるうちに狂気を帯びてくる高部刑事役を演じた役所広司、独特な間と雰囲気で人間を操る元医学生を演じる萩原聖人、共にいい味出してます。全体的な暗さも黒沢清監督ならではの雰囲気で、完成度は高いと思いますが、洗脳するプロセスや犯罪の動機をあえて”描かない”演出による、”謎”の部分を楽しめるかどうかで評価が分かれるかもしれません。個人的にはかなり★4つに近い3つです。

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