D-Movie(No.726)

・邦題:『CQ』
・原題:『EL ABRAZO PARTIDO』
・監督:ロマン・コッポラ
・脚本:ロマン・コッポラ
・キャスト:ジェレミー・デイヴィス、アンジェラ・リンドヴァル他
・制作:2001年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:88分
・評価:★★★


【 コメント 】
フランシス・フォード・コッポラを父に持つロマン・コッポラの劇場映画第1回監督作。日本で公開されたときも、ポスタービジュアルも含め、結構話題になりました。カンヌ国際映画祭でもプレミア上映されましたので、世界的に注目された作品です。

舞台は1969年のパリ。2001年の未来を舞台にしたSF映画『ドラゴンフライ』の編集をしているアメリカ人青年ポール。彼は自主映画作りに熱中し、自分の日常をカメラに収めている。あまりにも熱中しすぎ、同居している恋人との関係もうまく言ってるとは言えない状況。一方、『ドラゴンフライ』のプロデューサー、エンゾは監督アンドレイが作ったエンディングが気に入らず、解雇してしまう。次の監督が指名されるも事故に合って降板。巡り巡ってポールに白羽の矢が立ち、監督を任されることに。ポールは恋人との関係や、新しいエンディングに対するプロデューサーの期待に悩みながらも、映画の主役を演じる女子大生ヴァレンタインに惹かれていく...という物語。

本作の監督を務めるロマン・コッポラは、CMやミュージック・ビデオの世界でキャリアを積んだ人で、全編にその映像センスが感じられる作りとなっています。ポスターもレトロフューチャー的な感覚が非常におしゃれでした。単純に60年代のカルチャーや過去の映画に対するオマージュだけではなく、現実と映画の二重構造の中で揺れ動く青年ポールの恋愛物語として成立していると思います。『ドラゴンフライ』の最初の監督を演じるジェラール・ドパルデュー、ポールの恋人役を演じるエロディ・ブシェーズなど、周辺の登場人物のキャラクターもいいですね。
使用されている音楽もセンスがいいし、映像的にもおしゃれすぎるからなのか、ポールの映画作りに対する情熱が、”狂気”と呼べるところまで行っていないのがちょっと物足りなく思いました。結局映画自体は成功したように描かれていますが、全体的にもっとエッジが効いていてもよかったかも。

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