【 コメント 】
都会を捨てて田舎に移り住んだ家族が見舞われる恐怖の体験を描いたサスペンス。監督は『リービング・ラスベガス』(1995)のマイク・フィギス。主役を演じるのは『エデンより彼方に』(2002)のデニス・クエイドと『氷の微笑』(1992)のシャロン・ストーン。
家族と共にニューヨークで暮らす映像作家のクーパー(デニス・クエイド)。ある日、彼の目の前で息子が交通事故に遭いそうになったことをきっかけに、安全な田舎へ引っ越すことを決意。ほどなく“コールド・クリーク”邸という屋敷を購入し移り住んだ。そこに突然、”前の住人だ”という男・デイルが現れる。彼は家の修繕をやらせてほしいと言い出し、クーパーは渋々雇うことに。やがて奇妙な事件が起こりだし...という物語。
日本未公開の作品ながら、登場する俳優はデニス・クエイド、シャロン・ストーン、スティーヴン・ドーフ、ジュリエット・ルイスとなかなかの顔ぶれ。サブタイトルにある”過去を持つ家”という言葉の印象から、サスペンスというよりもホラーを想像してしまい、さらに序盤はところどころホラー的なモチーフが出てくるので、それなりに期待してしまったのですが、内容的には非常にストレートなサスペンス・ドラマでした。そしてこれがまた、まさに直球勝負のサスペンスで、あまりにもにひねりが無さすぎ。
田舎の閉鎖的な人間関係、怪しい書籍や写真、不穏な隣人などなど、場を盛り上げる要素がたくさん積みあがってくるだけに残念。直球がダメとはいいませんが、もう少しかく乱させられた方が観ていてドキドキするかも。夫婦の人間関係やデイルとその父親の関係など、謎のまま終わってしまう部分もあって全体的に消化不良。全編にわたって緊張感は演出されているだけに残念でした。
ちなみに娘クリスティン役を演じたクリステン・スチュワートはどこかで観た事があるなあと思ったら、『パニック・ルーム』(2002)の娘のようですね。特別美人と言うわけでもありませんが、独特の雰囲気と陰を持っていて今後の活躍が楽しみです。
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