D-Movie(No.720)

・邦題:『コックファイター』
・原題:『COCKFIGHTER』
・監督:モンテ・ヘルマン
・脚本:チャールズ・ウィルフォード
・キャスト:ウォーレン・オーツ、ハリー・ディーン・スタントン他
・制作:1974年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:84分
・評価:★★★


【 コメント 】
2013年にニュープリント版が日本で公開された作品。”プロデューサーのロジャー・コーマンが、ハリウッド・メジャー作「断絶」の興行的失敗に苦しむモンテ・ヘルマンを監督に迎え、“闘鶏”をテーマに描いた異色作”(公式サイトより)とのこと。面白い経緯です。主演は『ガルシアの首』(1974)のウォーレン・オーツ。競演は『パリ、テキサス』(1984)のハリー・ディーン・スタントン。渋いキャスティングです。

闘鶏トレーナーのフランクは、自分の腕に絶大な自信を持っていた。そんな折、宿敵ジャックとの闘いに大口を叩きながら大敗を喫し、悔しさのあまり、全国チャンピオンになるまでいっさい口をきかないと誓いを立てる。そしてチャンピオンになるべく、闘鶏に没頭するあまり、恋人にも見捨てられてしまう。それでもフランクは最強の鶏を手に入れ、猛特訓を行い、やがて宿敵ジャックとの戦いがめぐってくる...という物語。

製作は1974年。アメリカでは闘鶏が禁止されていた州も多かったようで、問題作だったのでしょうか。当時は日本でも公開されなかったようです。”闘鶏”をテーマにしている、というだけでなく、主人公がほとんど口を開かないという意味でも変わっています。さらにラストシーンには上映禁止にならんばかりの描写が。やはりロジャー・コーマンが関わるとこうなってしまうのでしょうか。ファンは嬉しいですが。
”闘鶏”というテーマ自体は珍しくていいと思うのですが、肝心の鶏同士の戦いが結構地味です。そして肝心のトレーナーが訓練する様子、チャンピオンになるための戦略などがあまり見えないのが残念。主人公の戦いのひとつひとつが、なぜ負けたのか、勝ったのかもちょっと不明瞭。口をきかない、という設定も演出意図がよくわかりません。恋人とのエピソードも貧弱です。
ただ、そういう部分も含めてのB級感は、こういった映画好きには引き込まれるものがあります。見終わった後の爽快感はありませんが、カルト的魅力にあふれた作品です。

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