D-Movie(No.553)

・邦題:『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』
・原題:『CECIL B. DEMENTED』
・監督:ジョン・ウォーターズ
・脚本:ジョン・ウォーターズ
・キャスト:スティーヴン・ドーフ、メラニー・グリフィス他
・制作:2000年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:88分
・評価:★★★


【 コメント 】
女装の巨漢ディヴァインを主人公にした破天荒な映画『ピンク・フラミンゴ』(1972)によってカルト・ムービーの巨匠となったジョン・ウォーターズ監督作品。ハリウッド映画に代表される“腐った映画”撲滅のために結成された、セシル・B・ディメンティッド(スティーヴン・ドーフ)率いる映画集団が、自作の映画『狂える美女』の主役に配するため、ハリウッドの大物女優を誘拐。町のいたるところで彼女を主役にゲリラ的に撮影を進める彼らの運命やいかに..という物語。『ピンク・フラミンゴ』以降もインパクトのある作品を世に問い続けているジョン・ウォーターズ監督ですが、90年後半の作品からはさすがにカルト色は薄まってきたのかな、と思っていたところに本作。すごいです。
映画集団を結成するの面々が必要以上に個性的な気がするのと、リーダーのセシル・B・ディメンティッドのあまりに青臭い台詞の連続にどこか上滑りしている感が漂い、居心地の悪さが付きまとうのですが、物語が進み、彼らの意志の強さ、一途さが延々と投げかけられるとさすがにこちらにも熱い感情が伝わってきます。最後はかなりどぎつい展開になるのですが、それでも笑いを交えながら最後まである種の軽さを貫いているところが楽しいです。文句なく拍手を送りたくなります。おそらく見ている観客と、主役のハリウッド女優ハニー・ホィットロックの心情の変化が重ね合わさるように計算された演出だと思いますが、成功しているのではないでしょうか。

残念ながら肝心のゲリラ撮影を行った映画の行方はわからずじまいですが、こうなるとその映画の出来はもう関係なく、映画を作る情熱自体が大事なんだということなんでしょうね。実際ハリウッド”的”映画がお好きな方には全然お勧めできませんが、それなりにドラマとして成立していますので、せっかくならもっとどぎつくしても、という気もします。そう思ってしまうのもやはり監督がジョン・ウォーターズだからこそでしょうか。

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