D-Movie(No.677

・邦題:『ケイブマン』
・原題:『THE CAVEMAN'S VALENTINE』
・監督:ケイシー・レモンズ
・脚本:ジョージ・ダウズ・グリーン
・キャスト:サミュエル・L・ジャクソン、コルム・フィオール他
・制作:2001年/アメリカ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:105分
・評価:★★


【 コメント 】
アメリカ映画界の重鎮サミュエル・L・ジャクソンが狂気のピアニストを演じる異色サスペンス。監督は『羊たちの沈黙』(1990)などにも出演していた女優ケイシー・レモンズ。長編は『プレイヤー/死の祈り』(1997)に続く2作目。
家を出て一人洞窟で仙人のように暮らすロミュラス。もともとはジュリアード音楽院に通っていた天才作曲家であったが、奇妙な妄想にとりつかれ、ホームレスとなっていた。そんなある日、ロミュラスはカリスマ写真家として名の知られたレペンラブのモデルが木の上で凍死しているのを発見する。ロミュラスは自分にしか見えない光や幻想を頼りに、独自に捜査を開始する。警察官である娘から反対されながら捜査を続ける彼は、やがて、レペンラブが行っていた反社会的な行為にたどり着くが...という物語。

1995年度のアメリカ探偵作家クラブ新人賞を受賞したジョージ・ダウズ・グリーンのミステリー小説にサミュエル・L・ジャクソンがほれ込んで製作までこぎつけたとのことで、確かにサミュエル・L・ジャクソンはかなり役に入り込んでいます。あの風貌でドレッドヘア。さらに洞窟で暮らす世捨て人で天才ピアニスト、これだけ強烈な主人公はなかなかお目にかかれません。
サスペンスとしても、単なる謎解きではなく、ロミュラスの狂気と妄想が交錯し、普通のサスペンス映画とは一線を画しています。ただ、その狂気からは芸術に対する純粋さや高貴な魂のようなものはあまり感じられないのが残念でした。逆にサミュエル・L・ジャクソンの個性が強すぎるのでしょうか。
ロミュラスと家族の人間関係も今ひとつよくわからず、ハッピーエンドだとは思いますが、世捨て人がこの事件を通してさまざまな人と関わり、自分と対峙し、結果的に家族や社会との絆を取り戻していくような感動までは至りませんでした。ただ、サミュエル・L・ジャクソンの演技や存在感はやはりインパクトがあり、そういう意味では最後まで楽しめる作品ではあると思います。

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