D-Movie(No.586)

・邦題:『BUG/バグ』
・原題:『BUG』
・監督:ウィリアム・フリードキン
・脚本:トレイシー・レッツ
・キャスト:アシュレイ・ジャッド、マイケル・シャノン他
・制作:2007年/アメリカ
・ジャンル:サスペンス
・上映時間:102分
・評価:★★★


【 コメント 】
『フレンチ・コネクション』(1971)、『エクソシスト』(1973)などの話題作を手がけたウィリアム・フリードキン監督作品。ニューヨークのオフ・ブロードウェイで評判を呼んだトレイシー・レッツの同名舞台劇がベースとなっています。主演は『コレクター』(1997)や『ダブル・ジョパディー』(1999)のアシュレイ・ジャッドと、『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(2008)のマイケル・シャノン。

舞台はアメリカ、オクラホマ州。レストランバーでウェイトレスをしているアグネスは、最近仮釈放された元夫ジェリーの暴力から逃れるため、一人でモーテル暮らしをしていた。ある日、同僚の女性がモーテルにピーターという男を連れてくる。孤独な夜を送っていたアグネスは、繊細でどこか影のあるピーターに心を許していく。優しいピーターと共に、アグネスはつかの間の幸せ手に入れるが、ピーターがモーテルに小さな虫(バグ)がいる、と言い出したことから二人の日常は徐々に幻想に入り込んでいく..。

もともとは舞台劇ということもあって、物語のほとんどがモーテルの一室で展開されるシンプルな構造。その中で、”虫がいる”という幻想に取り付かれた男と、孤独であるがゆえにその男の幻想によって日常を踏み外していく女をマイケル・シャノンとアシュレイ・ジャッドが大熱演。アシュレイ・ジャッドにいたっては、ファンの方は絶対見ないほうがいいです(笑)。そのぐらい鬼気迫る演技。場面展開や大きな物語の起伏が無いので、中盤まで緊張感はあるものの、おとなしい感じですが、終盤からラストにかけて、妄想が一気に暴走するところは圧巻ですね。ストーリー的には、ハリー・コニック・Jrが演じた元夫がもう少し絡んできてもよかったかも。現実から目をそらし、精神的に乖離してしまった人間に対してどちらかというと同情的に描いている気がしますが、アグネスが最後に幸せだったかどうかという点ではそうでもないと思うので、やはり”救い”はない作品です。

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