D-Movie(No.638)

・邦題:『ブラウン・バニー』
・原題:『THE BROWN BUNNY』
・監督:ヴィンセント・ギャロ
・脚本:ヴィンセント・ギャロ
・キャスト:ヴィンセント・ギャロ、クロエ・セヴィニー他
・制作:2003年/アメリカ、日本
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:90分
・評価:★★★


【 コメント 】
日本でも大ヒットを記録したヴィンセント・ギャロが監督・脚本を手がけた長編処女作『バッファロー’66』(1998)の5年後に作られた作品。前作と同じく、監督・脚本はヴィンセント・ギャロ。自身がバイクレーサーだった経験を活かして描いた、心に傷を抱え漂うバイクレーサーの物語。

バイクレースで各地を巡業するレーサーのバド・クレイ。ニューハンプシャーでのレースを終えた彼は、自らの車にバイクを積んで、次のレース開催地であるカリフォルニアへ向かう。その道中で、かつて恋人だったデイジーの実家に立ち寄るが、母親は自分のことを覚えていない。そのままロスを目指す途中でさまざまな女性との出会いを繰り返すバド。実は彼は心の奥深くに大きな傷を抱えていた...という物語。

前作は個人的にもその年に見た映画のベスト1に上げたくなるほど好きなので、本作にも思い入れがあります。レーサーという職業の主人公は、そのままヴィンセント・ギャロのイメージと重なります。そして光にあふれたハイキーな映像と60年〜70年代の良質な音楽。これらが重なって生み出される独特のセンチメンタルな世界観。これが彼の、そしてこの映画の持ち味だと思います。男の心の闇をそのまま投影したような映像。それがあらわになるラストの10分。逆にいうと、車でのドライブシーンが多いので、ロードムービーっぽいのですが、ほとんど何も起こらないので、これが退屈と言えば退屈でしょう。このあたりが賛否両論の分かれ目。実際にカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品されたときはかなり評価が割れたようです。ちなみに最後のセックスシーンはR−15指定となっています。

彼の映画らしく、音楽の選曲・使い方が素晴らしいです。サントラには、ロックバンド。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの元ギタリストであるジョン・フルシアンテが提供した楽曲が収められています。本編では使われていませんが、これも最高。まさに本作の雰囲気を表現しています。

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