広告というフィールドを越え、多方面で活躍するトップ・クリエイター、箭内道彦が自ら監督を務め、孤高のバンドBRAHMANの実像に迫ったドキュメンタリー。結成20年になるバンドの軌跡と、彼らが音楽に込めてきた思いや哲学を、新曲『其限』の制作過程と、メンバー本人や彼らをよく知る関係者へのインタビューを通して明らかにしていく、という作品。
ボーカルのTOSHI-LOWの圧倒的な存在感や独自の世界観による音楽で人気の4人組ハードコア・パンクバンドを追ったドキュメンタリー作品。監督はクリエイティブ・ディレクターとして活躍している箭内道彦。いわゆる”音楽ドキュメンタリー”とは違う作風で、メンバーそれぞれのインタビューによって進行します。最初のうちは非常に彼らの”素顔”みたいなものが見られることもあって興味深いのですが、途中からは、もっとベタなものが見たい、という気持ちになってきます。箭内さんの初監督作なので、他と違うものを期待する人も多かったと思いますが、個人的には、いわゆる映画の文脈を外しすぎた気がしました。創成期のメンバーの死の扱い方もちょっと残念。それでもファンにとっては楽しめる作品ではあると思います。
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