D-Movie(No.675)

・邦題:『ブック・オブ・ライフ』
・原題:『THE BOOK OF LIFE』
・監督:ハル・ハートリー
・脚本:ハル・ハートリー
・キャスト:P・J・ハーヴェィ、マーティン・ドノヴァン他
・制作:1998年/アメリカ
・ジャンル:ドラマ
・上映時間:63分
・評価:★★


【 コメント 】
『トラスト・ミー』(1990)、『シンプルメン』(1992)などの作品で熱狂的なファンも多いハル・ハートリー監督作品。現代のニューヨークを舞台に、神と悪魔の戦いをドキュメンタリーっぽい雰囲気で描いた作品。すべてデジタルビデオで撮影された実験的作品でもあります。

1999年12月31日。イエス・キリストとマグダラのマリアは、世界を破滅させる命の書(ブック・オブ・ライフ)を持ってニューヨークに降臨。しかし、キリストは、黙示録の7つの封印を解いて人類に裁きを与えるかどうか悩んでいる。一方で同じニューヨークのホテルにたたずむサタンは、ブック・オブ・ライフを奪い、世界の終末を迎えるべく奔走する...という物語。

ハル・ハートリーは、本作に関するインタビューで「僕は、自分が好きな仕事を“好きなやり方で”しかもあまり金をかけずにできることを示そうと決意した。デジタル・ビデオがどこまで僕の創作方法を変えてくれるものなのかを試そうとしたんだ」と答えたそうです。インディペンデント出身の監督らしい姿勢ですね。かっこいい。
ただ、その手法が成功しているかどうかは少し疑問が残ります。キリストやサタンが人間の形で戦い、しかも肝心のブック・オブ・ライフはパソコンの中っ。アクションはもちろん、登場人物の大きな感情の起伏も少なく、全体的に地味な印象です。ただ、不思議なエフェクトの効いた映像に、P・J・ハーヴェィ(マグダラのマリアとして出演)、デヴィッド・バーン、ヨ・ラ・テンゴなど、ひとくせもふたくせもある音楽が重なってくると、どこかファンタジックな雰囲気の中にリアリティも生まれてくるところが不思議で、60分ちょっとという短さもあってか、見ていて退屈することはありませんでした。ちょっと眺めのPVといった趣。いずれにしても見る人を選ぶ作品かと思いますので、監督や出演者、音楽を担当したミュージシャンに響くところの無い人にはあまりおススメできないかもです。

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