イーライという名の謎の男は、崩壊したアメリカ大陸の荒野を西に向かって歩き続けていた。ある本を携えて。その本は、いまや世界にこのただ一冊となっていた。イーライは、その本に近づこうとする者は容赦なく斬り捨てた。そんな中、とある町に立ち寄ったイーライ。そこは、カーネギーという男が独裁者として君臨する町。彼は、ある本を探していた。その本があれば世界を支配できると考えていた。やがて、イーライの本こそが、目的の本だと確信するカーネギーだったが．．という物語。

「本を西へ運べ」という心の声に導かれるまま、国家も文明も滅びた世界を旅する男が主人公のＳＦアクション。盲目（かどうかは謎ですが）の主人公がさまざまな困難を切り抜けながら使命を果たす物語。座頭市ばりの派手なアクションは迫力あり。主人公のデンゼル・ワシントンの渋さも光りますし、敵役のゲイリー・オールドマンも知性を感じさせてかっこいい。ただストーリー的にちょっと無理がありすぎるところが難点。フィクションの中にもそれなりにリアリティを求める人には納得いかないかも。彩度の低い映像はまさに世紀末という感じでクールです。